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【凱旋門賞】前哨戦分析【解説コラム】

2016年09月26日 15:00

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■愛チャンピオンS(G1)

G1馬が8頭揃う強力なメンバー構成となった一戦。翌日に行われた凱旋門賞トライアルよりも明らかにハイレベルなレースだったと言える。勝ったアルマンゾルは、残念ながら凱旋門賞は回避する見込みだが、このレースの国際レーティングは127ポンドと高評価となった。3/4馬身差の2着だったファウンドは、シルバーコレクターだが本馬の地力も高いと考えるべきだろう。1番人気に支持された今年の英愛ダービー馬ハーザンドは8着に敗退。明確な敗因は不明だが、どこまで巻き返してくるかにも注目だ。

■ドバイシーマクラシック(G1)

中団外目につけていたポストポンドが、最後の直線に入ると先に抜けだし、ドゥラメンテらの追撃を振り切って優勝。勝ちタイムの2分26秒97はレコードで、14年にジェンティルドンナがマークしたレコードを更新した。当時、ジェンティルドンナに与えられた国際レーティングは118に対し、今回は124。牡馬と牝馬の違いはあるが、高い評価となっている。ドゥラメンテはレース直前に落鉄。装着し直さずに出走する不利はあったものの、勝ち馬の強さが光った。JC2着などの実績があるラストインパクトとの着差も、物差しとして判断材料になる。

■ニエル賞(G2)

5頭立ての上、かなりスローペースの展開。マカヒキは外の3番手につけ、残り400mから横一線の叩き合いとなり、ゴール寸前で際どく抜け出した。メンバー的には勝って当然という下馬評だったため、正直、着差としては物足りなさがあり、レーティングも高い評価にはならないだろう。ただ、日本ダービー以来の休み明けで、初の海外遠征。シャンティイの馬場も初ということで、大きな経験にはなった。当然、本番に向けての上積みは見込めるはずで、どれぐらいの上昇度を示せるかがポイントになるだろう。

■仏オークス(G1)

勝ったラクレソニエールは、後方追走から最後の直線は大外に持ち出されると、内に切れ込みながらも鋭く伸びて差し切り勝ち。前走仏1000ギニーに続くG1制覇を果たした。次走8月のノネット賞も制し、無傷の8連勝としている。国際レーティングは120ポンド未満ながら、地元の3歳牝馬という点だけで不気味。凱旋門賞と直結する注目レースだ。過去10年の仏オークス馬では、ザルカヴァやトレヴが凱旋門賞を制覇。一方、スタセリタやサラフィナ、アヴニールセルタンが上位人気で敗れている。ラクレソニエールの運命は、果たしてどちらとなるか。