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【香港マイル】栗山求氏による血統傾向と有力馬分析!

2016年12月05日 23:54

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 香港はサラブレッドを生産していないため、競走馬の供給を外国に頼っており、南半球のオセアニア、とくにオーストラリアが主な取り引き相手となっている。そこで猛威を振るっているのがダンジグ系。日本におけるサンデーサイレンス系のように、サイアーランキングの上位は、ダンジグの息子であるデインヒル、グリーンデザートのラインがかなりの割合を占めている。

 香港マイルもやはりこの系統を抱えた馬が強く、過去10年間のうち8年間は、父または母の父にダンジグを持つ馬が連対している。11年に1着、08年に2着の成績があるエイブルワンなどは父、母の父がいずれもこの系統だった。

 今年、上位人気に推されるであろうエイブルフレンドは、14年のこのレースの勝ち馬。母の父ヴォルクスラードがニュージーランドで計8回リーディングサイアーとなった名種牡馬で、グリーンデザートを経てダンジグにさかのぼる系統。昨年春にイギリス遠征を敢行してから調子が戻らず、昨年は1番人気に推されてモーリスの3着。それから1年が経過し、さすがに全盛期の力は望めないだろう。ただ、強烈な末脚を武器にこれまでG1を4勝した実力馬。香港マイルは過去10年間に4頭のリピート連対馬が出ているように、過去に良績を残した馬が再び好走するケースが目につく。うまく仕上がれば上位争いに食い込んできそうだ。

 サンジュエリーの父スニッツェル(Snitzel)は、日本でも過去2シーズン供用され、重賞3勝馬ヤングマンパワーを出した。リダウツチョイスを経てデインヒルにさかのぼる系統。サンジュエリー自身はダンシングショウ4×3という味な牝馬クロスを持っており配合的に高く評価できる。強力なメンバーがそろう今回のレースで一発があっても不思議はない。

 コンテントメントは「ヒューソネット×コマンズ」という組み合わせ。父ヒューソネットはチリとオーストラリアで大成功したミスタープロスペクター系の大種牡馬で、G1ウィナーは30頭を数える。産駒のグロリアスデイズは13年1着、12年2着とこのレースで活躍している。母の父コマンズは日本でも供用されたデインヒル系種牡馬。いかにもこのレースに向いた配合なので侮れない。

 ビューティオンリーはデインヒル系のホーリーローマンエンペラー産駒。同産駒は香港競馬と相性が良く、本馬の他にデザインズオンロームやリッチタペストリーがG1を制覇している。ただ、2年近くG1勝ちから遠ざかっており、勝つまではどうか。

 昨年のこのレースでは日本馬モーリスが優勝を飾った。モーリスはマイル路線に久々に現れた超大物で、15年に年度代表馬となり、今年は距離の壁を打ち破って天皇賞・秋を制覇した。香港マイルはモーリス級でようやく勝算が立つというレース。通常レベルの日本馬は苦戦する傾向にある。

 サトノアラジンは昨年11着に終わったものの、5歳を迎えた今年、京王杯スプリングCとスワンSを制覇して成長ぶりを印象づけた。ただ、勝った重賞はいずれも1400mなので、この距離のスペシャリストという可能性もある。「ディープインパクト×ストームキャット」は、エイシンヒカリ、リアルスティール、キズナと、すでに3頭の海外重賞勝ち馬が出ているので信頼性が高い。エリザベス女王杯を勝ったラキシスの全弟でもあり、血統的には申し分ない。距離と、レベル差を克服できれば馬券圏内に食い込んでくるだろう。

 ネオリアリズムは札幌記念でモーリスを破り、マイルチャンピオンシップは惜しい3着。ここに来て力をつけている。4分の3兄リアルインパクト(父ディープインパクト)はオーストラリアに遠征してG1ジョージライダーSを勝ったように海外でも通用するだけの血統的ポテンシャルを秘めている。ただ、これはロゴタイプにも言えることだが、過去に香港マイルを勝ったエイシンプレストン、ハットトリック、モーリスの3頭は、いずれも末脚を武器とするタイプだった。ゴール前で鋭さ負けする可能性がある。

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