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【香港ヴァーズ】土屋真光の見解

2016年12月10日 13:55

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 ひと昔前は、ジャパンカップを負けて転戦してきた欧州調教馬、ここ最近はオーストラリアや北米で結果を出してきた欧州調教馬、或いは、ここ1本に狙いを定めてきたフランス調教馬というのが、勝ち馬のパターンであった。今年は出走を予定していたイラプトが回避しジャパンカップ組は不在。オーストラリア転戦組ではビッグオレンジ、北米転生組ではハイランドリール、フランス調教馬はシルバーウェーヴ、ガルリンガリ、ワンフットインヘヴンが該当する。

 …と、書きながら、はっきり言って手放しでハイランドリールは不動の本命といえるだろう。今年6カ国で走り、“キングジョージ”とブリーダーズカップターフと今回と同じ距離の2つのG1を勝利。凱旋門賞ではファウンドの2着になったということも記憶に新しい。コースを全く選ばず、むしろブリーダーズカップや、昨年の香港ヴァーズ、昨年のセクレタリアトステークスを見てもわかるように、整地された時計の速い馬場を得意とする。さらに逃げ差し自在の展開不問。昨年の香港ヴァーズでも、序盤はレースを先導しながら、行きたい馬がきたらその馬に先を譲り、うまく脚を貯めて、直線での伸びに繋げた。もちろん、昨年の勝利は鞍上のライアン・ムーアの手腕があってこそもあるだろうが、誰が乗っても成績が安定しているのは、高い能力の証。心強いパートナーを背に、連覇濃厚と見る。

 2番手にはシルバーウェーヴ。今年はG1サンクルー大賞を勝利し、その勢いのままG2フォワ賞も勝利した。前走の凱旋門賞こそ13着に敗れたものの、レースの流れに乗り切れなかったもので、また極端に時計が速かったものもあり、悲観する結果ではない。凱旋門賞のあとはここ1本を目標に調整されてきた。鞍上のマキシム・ギュイヨン騎手は香港ダービーも制したことがあり、コースを熟知。

 シンプルに考えるなら、この次には同じくフランス調教のワンフットインヘヴンを推したいところ。しかし、香港到着後熱発し、また血圧も上がってしまったために、12月7日まで馬場入りが控えられていた。その後、熱も下がり、採血検査でも異常を示さなかったため、レース3日前の8日木曜日から調教を再開。「多少の休みは問題ない。きっちり仕上げる」と、アラン・ドゥロワイエデュプレ調教師は強気の姿勢を崩さないが、やはり急仕上げ感は否めない。

 そこで3番手にはサトノクラウンを挙げたい。4歳初戦の京都記念ではさすがの強さを見せたが、続いて香港に遠征して出走したクイーンエリザベス2世カップは、引っ掛かり通しで大惨敗。帰国初戦の宝塚記念で6着と復調気配を見せたが、再び秋初戦の天皇賞・秋では好位につけながら、全く伸びずに失速してブービーと、この馬の力を発揮できない結果が続いている。ただ、いずれも力負けという印象はなく、きっかけひとつで大仕事をやって不思議はない。父マルジュは、ビバパタカ、インディジェナスと香港のこの距離で結果を出してきた馬たちと同じ。さらに鞍上には脅威のリーディング騎手ジョアン・モレイラ騎手を配することができた。

 以下、単騎で逃げることのできるビッグオレンジ、間隔を詰めても好調のヌーヴォレコルトも圏内と見る。

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