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【香港カップ】土屋真光の見解

2016年12月10日 14:31

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 「シャティンの2000mはとにかくトリッキーで難しい。特にゲートからすぐ迎える最初のコーナーの入りが、明暗を大きく分ける」と、ブレイジングスピードに騎乗するニール・カラン騎手が語るように、フルゲートが14頭という頭数でも枠順によって明暗が大きく分かれるのがこのコースの特徴である。現地時間8日午前に行われた枠順抽選では、その行方に注目が集まったが、逃げたいエイシンヒカリが1番枠になったのをはじめ、有力馬がそれぞれに実力を出しやすい枠に収まり、中距離王決定戦に相応しい言い訳無用の舞台が整った。

 中心はやはりモーリス。8番枠は、同じコースで行われた2012年のクイーンエリザベス2世ステークスを制したルーラーシップと同じ。距離への懸念は前走の天皇賞・秋での圧勝で、完全に払拭された。鞍上は引き続きライアン・ムーア騎手で、これまでにG1を2勝のコンビだ。昨年の香港マイルではマイルチャンピオンシップから中2週の競馬が負担になったのか、現地に入ってからの調整の様子は、ギリギリまで軽めで、とても好調から程遠く感じさせるものであった。しかし、いざレースを迎えてみれば圧勝。しかも、現地の最強マイラーであるエイブルフレンドを子供扱いしてのものであった。その当時と比較して、今回は週頭から積極的に調教を消化しておりきわめて順調であるのは明らか。不安要素は全くない。

 2番手は連覇を狙うエイシンヒカリ。昨年は不利とされる11番枠から、覚悟を決めたように積極的に先手を取ると、痛快なほどに後続を手玉に取る快逃劇を見せた。今回は最内1番枠。他にエイシンヒカリのハナを叩くような強力な先行策を取る馬も不在で、昨年よりも楽な展開に持ち込めることが濃厚だ。ただ、馬のタイプとしては、勝つか大惨敗のどちらか。勝ち馬の候補としての2番手であって、2着や3着などの着順は敢えて考えから外しておきたい。

 3番手はラブリーデイ。昨年、2つのG1を含めて重賞6勝の昨年と比較してあまりにも物足りない成績が続いているが、決して力落ちではなく、この馬向きの条件が揃わなかったと考えたい。今春のクイーンエリザベス2世カップでは地元馬も押さえて1番人気に押され、苦手とされる雨を含んだ馬場でも4着と意地を見せた。鞍上には今年絶好調のヒュー・ボウマン騎手を迎えた点も魅力。

 差なく考えたいのが昨年の香港カップで香港勢最先着の3着だったブレイジングスピード。成績にムラがあり、どうしても信頼感がおけないが、はまった時の強さはさすがマルチG1ウイナー。人気が落ちる今回は狙い頃。

 はまった時の強さでいえば、ステファノスも負けていない。G1タイトルはまだないものの、天皇賞・秋では3着に好走。昨年のクイーンエリザベス2世カップでも2着となっている。当初、ジャパンカップと両にらみとされていたが、より勝算の高い香港に矛先を向けてきた。鞍上のクリストフ・スミヨン騎手は日本でもおなじみ。

 現地の大将格デザインズオンロームは、前走はペース不適と2走ボケとジョン・ムーア調教師が分析するが、やはり昨年初夏に受けた前脚の骨片除去手術の影響がまだ残っている印象が強い。

 ならば充実一途のシークレットウェポンにも注目したい。前哨戦のジョッキークラブカップを好時計で勝利した。6歳とやや遅咲きだが、まだまだ奥の深さを感じさせる。

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