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【ドバイワールドカップ】栗山求氏による血統傾向と有力馬分析!

2017年03月22日 22:15

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 JRAが発売した海外馬券はこれまですべて芝のレースだったが、ドバイワールドカップは初のダート戦となる。過去10年間の施行条件を見ると、07年から09年まではナドアルシバ競馬場のダートで行われたが、メイダン競馬場に移転した10年からオールウェザー(タペタ)に変更。この条件で14年まで5年間行われた。日本馬ヴィクトワールピサとトランセンドがワンツーフィニッシュを決めたのはこの期間中の11年だった。15年からダートに戻して現在に至っている。

 ダートで行われた07、08、09、15、16年の5年間のうち、アメリカ調教馬は4勝、2着2回という好成績。ダート競馬の本場だけあってさすがに強い。アメリカ馬を中心に馬券を組み立てたい。

 レースが創設された96年以降、シガー、シルヴァーチャーム、インヴァソール、カーリン、カリフォルニアクロームと、米年度代表馬クラスの大物が参戦するとほぼ勝っている(カリフォルニアクロームの1回目の遠征は2着)。

 そうした歴史を踏まえると、今年、大本命に推されているアロゲートが勝つ確率はきわめて高いといえるだろう。トラヴァーズS(ダ10f)、ブリーダーズカップクラシック(ダ10f)、ペガサスワールドカップ(ダ9f)とG1を3連勝中。2走前にカリフォルニアクロームを一騎打ちの末に破って全米最強馬に上り詰め、3走前と前走はレコード圧勝という無敵ぶり。不安点は初の海外遠征という点だが、3月14日にドバイ入りして順調に調整されている。

 オールウェザーからダートに戻った15年以降、連対馬の血統はミスタープロスペクター系の影響が強く、15年の優勝馬プリンスビショップは父、母の父がいずれもこの系統だった。アロゲートも同様に父、母の父がミスタープロスペクター系。最近の血統的にトレンドにも合致している。

 同じくアメリカから遠征してきたガンランナーはアロゲートと同じ牡4歳。成長力のあるキャンディライド産駒なので今シーズンの飛躍が期待される。同産駒の最高傑作シェアドビリーフと同じく母の父がストームキャット系で、現在G1を含めて2連勝中。前走のレイザーバックH(G3・ダ8.5f)は逃げて5馬身3/4差の楽勝だった。トラヴァーズSではアロゲートに15馬身差をつけられた3着だったが、この差は詰まっているはず。

 ムブタヒージは昨年の2着馬。3歳春のUAEダービー(G2・ダ1900m)を8馬身差で圧勝しておりメイダンのダートは合う。父ドバウィは過去にモンテロッソ(12年)、プリンスビショップ(15年)と2頭の勝ち馬の父となっている(モンテロッソはオールウェザー時代)。ポストポンドやマクフィなど、もともとヨーロッパの芝で多くのG1馬を送り出している種牡馬だが、筋肉量が豊富でパワーがあるため、ダートやオールウェザーでも実績を残している。前走、リステッドレースのカーリンH(ダ10f)は断然人気に推されたものの、自身よりも斤量が約7kg軽い伏兵に足をすくわれた。久々だったのでこれを使って確実に良化してくるだろう。

 ホッパーチュニティはアメリカの牡6歳。昨年秋、ジョッキークラブゴールドカップ(米G1・ダ10f)を制したあと、ブリーダーズカップクラシックはアロゲートの4着、クラークH(米G1・ダ9f)はガンランナーの4着(ただしハンデはホッパーチュニティのほうが約2.5kg重かった)だったが、前走のサンアントニオS(G2・ダ8.5f)では大外から鮮やかに差し切った。父エニーギヴンサタデーはミスタープロスペクター系で、3代母ダヴォナデイルはNY牝馬三冠を達成した名牝という奥の深い血統は魅力的。ペースが上がって差し馬向きの展開になれば一発がある。

 日本馬はアウォーディー、アポロケンタッキー、ゴールドドリーム、ラニの4頭が登録している。ダートで行われたドバイワールドカップで日本馬の最高着順はトゥザヴィクトリーの2着(01年)。3着以内に入った唯一の馬でもある。したがって、楽な競馬にはならないだろう。

 あえて買うとすればアポロケンタッキー。前走の東京大賞典(G1)でアウォーディーを破って優勝している。父ラングフールはダンジグ産駒で、アメリカではジャンバラヤ(アーリントンミリオン)、インターパテイション(ターフクラシック招待S)などスタミナタイプが目立つ。母方にミスタープロスペクター、セクレタリアト、デピュティミニスター、ホイストザフラッグといったハイスペックな名血が入り、3代母スリンキーレディはリボーを3本抱えている。スタミナと底力を感じさせる配合構成だ。560kg台の大柄な馬体は迫力十分で、大舞台で思わぬ力を出せる可能性がある。

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