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栗山求氏による血統傾向と有力馬分析!

2017年04月26日 11:00

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 過去10年間の成績を見ると、ヴィヴァパタカとミリタリーアタックが3回、カリフォルニアメモリーが2回連対している。過去に好走した馬の信頼性が高いレースといえる。

 今年は、16年の勝ち馬ワーザー、15年の勝ち馬ブレイジングスピード、14年の勝ち馬デザインズオンロームと、過去3年の優勝馬が揃い踏みする。さらに、今回と同コースで行われた昨年暮れの香港カップ(G1)で、ブレイジングスピード、デザインズオンロームに先着して2着(1着はモーリス)に食い込んだシークレットウェポンも出走する。この距離における現時点の香港最強クラスが勢揃いした。

 過去の好走馬の血統を見ると、ダンジグ系の強さは一目瞭然。前出のシークレットウェポン、ブレイジングスピード、デザインズオンロームはいずれもこの系統から誕生している。また、ここ2年の勝ち馬ワーザー、ブレイジングスピードにはサドラーズウェルズが入っている。シークレットウェポンも同様だ。要するに、当コースのG1で好走実績のある前述の出走予定馬は、いずれも好走しやすい血統構成にあてはまっており、適性的には申し分ない。

 ワーザー、ブレイジングスピード、デザインズオンロームの3頭は、前走、4月7日のチェアマンズトロフィー(G2・芝1600m)に出走した。しかし、距離が短かったこともあり、4、5、8着に敗れている。勝ったのは一本かぶりの人気に推されたラッパードラゴン。今回のレースに登録はないが、香港4歳三冠を制した初めての馬で、次代の香港競馬を背負って立つ大物と期待されている。

 ラッパードラゴンが完全制覇した香港4歳三冠で3連敗(5、2、2着)を喫したのが当レースに登録のあるパキスタンスター。その最終戦である3月19日の香港ダービー(リステッドレース・芝2000m)で両者は1・3/4馬身差だった。前出のチェアマンズトロフィーでラッパードラゴンに約3馬身差をつけられて敗れたワーザーは、同馬よりも斤量が2.5kg重かったので、内容的にはワーザーのほうがパキスタンスターよりも上と考えられる。実際、両者には国際レーティングで12ポイントの差がある(ワーザー124、パキスタンスター112)。しかし、パキスタンスターがまだ4歳馬であることの伸びしろを考慮すると、ここまでの大差は感じられない。

 パキスタンスターの父はシャマーダル。現役時代に仏ダービーなど7戦6勝の成績を上げた名馬で、日本で走った産駒の芝連対率が30%を超えているように軽い芝に対する適性が高い。その父系はジャイアンツコーズウェイを経てストームキャットにさかのぼり、母の父がマキアヴェリアンという瞬発力を感じさせる配合構成。ダーレーのエース格ともいえる名種牡馬だ。ちなみに、シャマーダルの母ヘルシンキは名種牡馬ストリートクライの全姉で、ストリートクライの直系の孫がラッパードラゴン。新しい世代の香港の実力馬2頭は、似た構成の血を父系に抱えている。

 シャマーダルは、2014/15年の香港年度代表馬に選ばれたエイブルフレンド(G1を4勝)をはじめ、これまでにも香港で優れた産駒を出している。パキスタンスターとエイブルフレンドの共通点はゴール前で繰り出す優れた瞬発力。パキスタンスターは昨年7月のデビュー戦からその並外れた末脚が話題となっていた。この馬の追い込みがハマるような展開になれば今回の競馬でも十分勝機があるだろう。

 日本馬は過去10年間で連対馬を2頭(ルーラーシップとステファノス)出している。今年挑戦するネオリアリズムはサンデー系のネオユニヴァース産駒で、母トキオリアリティーはすでにリアルインパクト(安田記念、ジョージライダーSなど重賞4勝)、アイルラヴァゲイン(オーシャンS)と2頭の重賞勝ち馬を出している。

 日本は世界の趨勢とは関係なく、サンデーサイレンスやキングカメハメハを中心とした独自の血統世界を構築し、香港、ドバイ、フランスなどで毎年のように重賞を勝っている。したがって、ネオリアリズムがこのレースと相性のいいダンジグやサドラーズウェルズを持っていないことは問題ない。半兄リアルインパクトはオーストラリアでG1を勝った実績があり、ネオリアリズム自身、洋芝の札幌記念(G2)でモーリスを破って優勝した実績がある。香港のG1で通用する可能性は十分あるだろう。馬場が渋ればさらにいい。

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