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【ベルモントS】土屋真光の見解

2017年06月09日 12:30

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 まず、主流路線ともいえる、ケンタッキーダービー、プリークネスステークスの両方を使ってきた馬について考えたい。と、いきたいところだが、この路線を使われてきた大本命のクラシックエンパイアがベルモントパーク入りしてから回避を表明。一転して混戦の度合いが増したとともに、展開面でも大きく展望が変わってきそうだ。

 さて今年、二冠を使ってきたのは、ルッキンアットリーのみとなった。米国の過酷な三冠路線を戦ってきた馬で、ベルモントステークスも制した馬は、三冠馬となったアメリカンファラオも含めて過去30年で11頭。そのうち、ケンタッキーダービーからプリークネスSで着順を上げた馬が6頭、逆に着順を下げたのが1頭、同じ着順だったのが4頭となっている。しかし、着順を下げた95年のサンダーガルチはケンタッキーダービーを勝利しており、過去30年から外れるが、84年のスウェイルもケンタッキーダービー1着→プリークネスS7着というもの。また、同じ着順だった4頭も、うち1頭が三冠馬アメリカンファラオで、残る3頭も全て2着→2着だった。

 ルッキンアットリーは2着→4着で、データからでは勝ち馬としては推しづらい。さらに、過去10年では二冠を使ってきて勝った馬はアメリカンファラオのみ、というのも気になるところ。また、展開面でも、ルッキンアットリーのケンタッキーダービー2着は、じっと後方で脚を溜め、巧みに内を立ち回ってのもの。勝ち馬を除く有力馬がいずれも外を回って、なし崩し的に脚を使わされて伸びを欠いたと思われる。もちろん、実力がなければ続くプリークネスSでも4着にはなれないとはいえ、勝ち切るまではもうワンパンチ足りないと考える。

 ここまでの二冠で、徹底先行策を取ったオールウェイズドリーミングが早々に離脱、さらにプリークネスSでこれを徹底マークしたクラシックエンパイアも不在となって、ガンガンと前に行く馬がいないように思える。が、ケンタッキーダービーで、オールウェイズドリーミングを外から追いかけたアイリッシュウォークライが今回はすんなりと先手を取れるのではないだろうか。ケンタッキーダービーでは4頭分も終始外を回ったため、直線では完全に失速したが、ここで無理に追わずにダメージを最小にとどめた。その上で、二冠目をスキップしてここに全力投球という点は評価できる。

 エピカリスはアイリッシュウォークライよりも外の枠になったことで、ここは無理にハナは主張しないだろう。ゴールドアリュールの産駒は母系の距離適性を強く受け継ぐことが多く、母の父がカーネギー、半兄が2000mの重賞2勝のメイショウナルトであれば距離に問題はない。同様の砂質のメイダンのダートもこなしており、ここはナショナリズム抜きで期待したい。とはいえ、日本ではおそらく2、3番人気になってしまうため旨味も少ない。

 そこで、もう一度、プリークネスSスキップ組を、プリークネスSを勝ったクラウドコンピューティングを物差しに考えると、ウッドメモリアルステークスで大きく差をつけたアイリッシュウォークライと、ゴッサムステークスでねじ伏せたジェイボーイズエコーの2頭が浮かびあがる。

 アイリッシュウォークライは前述のとおり展開面が大きく有利。一方で、ジェイボーイズエコーのゴッサムSもクラウドコンピューティングの後ろからまくって捻じ伏せる力強さがあった。今回は距離延長で追走も楽になり、よりこの馬の終いの伸びが活かせそう。今回は父マインシャフトの主戦だったロビー・アルバラード騎手が騎乗予定。この乗り替わりもプラスに作用しそうだ。

 アイリッシュウォークライを1番手とし、ジェイボーイズエコーを2番手、エピカリスを3番手とし、以下ルッキンアットリー、タップリットという順で考える。

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