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【ベルモントS】市丸博司の見解

2017年06月09日 12:30

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 本命候補の出走回避があって、エピカリスにもチャンスがあるのではないかと思われる組合せになった。アファームドが1978年に三冠馬になったあと、2015年のアメリカンファラオまで37年も三冠馬が誕生しなかったように、アメリカ三冠レースは、もともと過酷である。

 その過酷さの最大の要素が、1冠目のケンタッキーダービーから2冠目のプリークネスSまで中1週、3冠目のベルモントSまで中2週というローテーション。もうひとつ、約2000m、約1900m、そしてベルモントSが約2400mという距離設定も3冠奪取を難しくしている。初めの2つをポンポンと勝っても3つ目まで好調を維持するのは極めて難しい。維持できたとしても、アメリカのダート重賞にはほとんど存在しない2400mという距離を克服できない馬も多い。

 今回のベルモントSも、ケンタッキーダービー、プリークネスSの勝ち馬はいずれも出走さえできなかった。4、2着と来て大本命と思われたクラシックエンパイアも直前に回避してしまった。三冠すべてに出走できた馬は、わずかに1頭、ルッキンアットリー(2着、4着)だけである。ケンタッキーダービーからプリークネスSをパスして参戦する馬が5頭。ケンタッキーダービーをパスしてプリークネスSを使って参戦する馬が2頭。ローテーション的には、この7頭が常識に掛かっているし、過去の傾向からも戴冠に近いと言えるかもしれない。

 市丸流レーティングのトップはルッキンアットリーだが、前述のようにこのローテは厳しい。ケンタッキーダービーはインがうまく開いて差してきたが0秒5差、プリークネスSは前の2頭から0秒9差をつけられ、シニアインベストメントにも先着を許している。押さえには必要だが、できるだけ狙いを下げたい。

 となれば、先行脚質でケンタッキーダービーでも見せ場を作ったアイリッシュウォークライが一番手とみるのが自然か。ケンタッキーダービーは水が浮くような極悪馬場。しかも終始外側を走らされ、消耗してしまった感がある。前へ行けたウッドメモリアルSは強かった。このメンバーで先手、もしくは2番手の競馬なら圧勝があっても不思議はない。過去10年でケンタッキーダービー6着以下だった馬の巻き返し勝利が4回あるというのも心強いデータだ。

 先行馬というなら、エピカリスだってUAEダービー逃げて2着。他馬が消耗しているここにフレッシュな状態で臨めるのは大きい。ただし、過去10年の勝ち馬はすべて前走アメリカのレースを使っている。3月以来のぶっつけというのはどうか。もちろん、出走するなら完調であろうが。どうやら1番人気になりそうなのも懸念材料。ベルモントSは1番人気不振で人気薄の激走が目立つレースである。

 その人気薄だが、最大の惑星はツイステッドトムだろう。重賞勝ちがなくレーティングは低いが、直前3連勝の上がり馬だ。前走フェデリコテシオSはオープンだが、ここからの参戦で勝った馬(2011年ルーラーオンアイス 10番人気)もいる。クラシック登録がなく、7万5000ドルの追加登録料を払って出走してきたのも勝負気配を感じさせる。

 1番手アイリッシュウォークライ、2番手エピカリス、3番手ツイステッドトム、あとは、前走ケンタッキーダービー大敗も前々走重賞勝ちのゴームリー、重賞勝ちから前走プリークネスSで3着したシニアインベストメント。最後に押さえでルッキンアットリー。ここまで挙げておきたい。

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