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【香港カップ】土屋真光の見解

2017年12月08日 17:30

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 トリッキーなシャティンの芝2000mを舞台にする争いは、他の3競走以上にとにかく枠順がカギになる。今回、今年のクイーンエリザベス2世カップの勝ち馬ネオリアリズムが1番枠、昨年のベルモントダービー馬ドーヴィルが2番枠、昨年のクイーンエリザベス2世カップの勝ち馬ワーザーが3番枠と、実績馬がことごとく内枠に入った。ネオリアリズムにとっては吉兆に見えるが、逆に最内となると、控えて4月の再現、というのは正直考えにくく、逃げるしか手がなくなってくる。実はジョアン・モレイラ騎手も、最内枠は先手を取るのが一番いい、という見解を話していた。札幌記念で逃げて勝ってはいるものの、あれはモーリスがいたからこそ。また、積極的に逃げると、ネオリアリズムの場合は気性的な問題も抱えている。ここでは強く推すことはできない。

 ドーヴィルはどうか。好時計のベルモントダービー勝ちは、馬場適性という点ではハイランドリールと共通しているが、アーリントンミリオンの去年、今年の競馬ぶりは正直強さを感じるものではなかった。メンバーは今回のほうが強い。また、休みなく使われてきた点は気になる。

 ではワーザーはどうか。トミー・ベリー騎手がジョン・ムーア厩舎の契約騎手となったことで、昨シーズンまで主戦だったヒュー・ボウマン騎手からベリー騎手で臨むこととなる。大一番での実績は高いがベリー騎手の今シーズンの香港における成績は決していいとは言い切れない。ましてや、この馬をよく知るボウマン騎手はステファノスに騎乗する。だまってこの馬に向いた流れになるとは考えにくい。

 そこで1番手は、贔屓目抜きにそのステファノスを挙げる。8番枠は決して悪い枠ではなく、またボウマン騎手もこの距離の乗り方は心得たものだ。ウォーディクリーやネオリアリズムが序盤から速い流れを作るようであれば、尚のことこの馬に好機となるはず。このコースも3戦して[0-1-1-1]、天皇賞のあとはここ一本に備えた。待望のG1戴冠を見たい。

 2番手には地元のタイムワープ。おそらく、ステファノスの1列前で競馬をするものと思われる。過去2戦から鞍上が変わってという点は気になるといえば気になるが、テン乗りに強いザカリー・パートン騎手。昨年も乗り替りだったシークレットウェポンをモーリスの2着に食い込ませた。

 3番手には英国のロビンオブナヴァン。成績を見るとフランス調教馬に見えるが、れっきとした英国調教馬。速い時計の右回りに良績が集まっており、特に注目は6月のG3ラクープ賞で、シャンティイの芝2000mで2分を切っている。同じシャンティイでも渋っていたG2ドラール賞では5着と敗れていることから、今のシャティンのような馬場が向くことは明らか。G1勝ちは2歳時のクリテリウムドサンクルーのみも、これまでに僅差で戦ってきた面々は、クロスオブスターズ、ポテムキン、メクタールといった欧州の強豪たち。とくにクロスオブスターズとは2歳時から長く勝ったり負けたりの関係が続いている。

 ネオリアリズムにとっては、スマートレイアーあたりが外から行ってくれたほうがよさそう。しかし、逃げ差し自在の馬だが、武騎手の場合は逃げることが少ない。過剰人気になるようなら嫌ってみるのも手だろう。

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