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日本馬ヴィブロスが歓喜の勝利、そしてアロゲートが見せた驚愕の走り

2017年03月27日 10:04

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325日(現地時)にアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイのメイダン競馬場で、サラブレッドによる8つの重賞競走(うちG1競走が5つ)とアラブによる1つの重賞競走が組まれるドバイワールドカップデーが行われた。

1日の賞金総額では世界最高の3000万ドル(約333000万円)を誇るこのビッグイベントに、今年も日本からは11頭が6つの競走に挑戦した(G1ドバイターフを予定していたリアルスティールは鼻出血のため回避し、レースに出走したのは10頭)。

昨年の優勝馬リアルスティール(牡5歳 栗東・矢作芳人厩舎)のアクシデントにより、日本からはヴィブロス(牝4歳 栗東・友道康夫厩舎)のみの出走となったG1ドバイターフ(芝1800m)は、大和撫子が大仕事をやってのけた。

 レースは掛かり気味にゴドルフィンのリブチェスターが先頭に立ち、途中からそれをなだめるように同じゴドルフィンのベリースペシャルがリブチェスターの前に出て先導。馬群は稍重の馬場を前半1000m=1:02.74で通過する。ヴィブロスは序盤から馬群後方のインコースでレースを進め、最後の直線では残り300m付近からJ.モレイラ騎手が外へと持ち出すと、弓から放たれた矢のように鋭く伸びて先頭でゴールを駆け抜けた。昨年10月のG1秋華賞に続く2つ目のG1タイトル獲得となり、牡馬混合のG1を制したことで、今後の選択肢が大きく広がった。

日本調教馬によるG1ドバイターフの優勝は、レース名がG1ドバイデューティフリーとして行われていた時も含めて、2007年のアドマイヤムーン、2014年のジャスタウェイ、そして昨年のリアルスティールに続く4頭目。牝馬がこのレースに優勝するのは、2013年のサッジャー以来4年ぶり4頭目になった。

その他のレースで日本調教馬は残念ながら勝利を挙げることができなかったが、先陣を切ってG2ゴドルフィンマイル(ダート1600m)に出走したカフジテイク(牡5歳、栗東・湯窪幸雄厩舎)は持ち味である後方から追い上げを見せて、セカンドサマーからおよそ6 3/4馬身差の5着。

昨年のラニに続く勝利を目指してG2UAEダービー(ダート1900m)に出走したエピカリス(牡3歳、美浦・萩原清厩舎)とアディラート(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、積極的に先頭、2番手でレースを引っ張り、2着と12着。エピカリスは直線でサンダースノーとの激しい一騎打ちとなったが、短アタマ差およばなかった。

G1ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200m)に出走したディオスコリダー(牡3歳、栗東・高橋義忠厩舎)は中団のやや後方からレースを進めるも、勝ったマインドユアビスケッツから大きく離されて11着。前哨戦のG3マハブアルシマール(7着)を含めた今回のディオスコリダーの遠征は、結果こそ残念なものだったが、3歳の早い時期にダート短距離路線で活躍する馬にとって、新たな可能性を示す挑戦だったと感じた。

 G1ドバイシーマクラシック(芝2410m)に臨んだサウンズオブアース(牡6歳、栗東・藤岡健一厩舎)は、渋った馬場が影響したのか、6着に敗退。優勝したジャックホブスは、昨年は骨盤を痛めてシーズンの大部分を休養したが、2015年6月のG1愛ダービー以来となるG1・2勝目を挙げて復活をアピールした。今後は6月のロイヤルアスコット開催にあるG2ハードウィックSから7月のG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSへ向かう予定で、陣営が見つめるその先には10月のG1凱旋門賞も当然視野に入っているはずだ。

 メインのG1ドバイワールドC(ダート2000m)にはアポロケンタッキー(牡5歳、栗東・山内研二厩舎)、アウォーディー(牡7歳、栗東・松永幹夫厩舎)、ゴールドドリーム(牡4歳、栗東・平田修厩舎)、ラニ(牡4歳、栗東・松永幹夫厩舎)の4頭が、昨年のワールドベストレースホースランキングでトップの座についたアロゲートに挑んだが、5番手から5着に粘ったアウォーディーを最高に、最後方から追い上げたラニが8着、アポロケンタッキーが後方のインコースでレースを進めて9着、ゴールドドリームは14着でレースを終えた。

 そして、そのG1ドバイワールドCに優勝したのは、戦前から最有力馬として名前が挙がっていたアロゲート。ただし、そのレースの内容は誰もが想像だにしなかったであろう驚くべきものだった。

 これまで逃げるか、好位から抜け出して連勝を続けていたアロゲートは、スタートで両脇の馬に挟まれて最後方からの競馬を強いられ、バックストレッチでもまだ12番手という危機的状況は変わらず、もはや万事休すと思われた。それでも、3コーナーから馬場の外目を回って前を行く馬たちを次々に捉えて行き、ラスト200m付近でガンランナーを交わして遂に先頭へ立つと、最後はまだ余裕がある手応えのまま2着ガンランナーに2 1/4馬身差をつける完勝だった。

アロゲートは昨年4月にデビューして、これで4つのG1勝ちを含む8戦7勝。この勝利で収得賞金が17084600ドル(約189600万円)となり、カリフォルニアクロームが27戦かけてつくった北米調教馬の歴代最高収得賞金額(14752650ドル)をあっさりと更新した。B.バファート調教師は、前走g1ペガサスワールドCを前に、「今年の最大目標はBCクラシックの連覇」と語っており、米国へ帰国した後は11月にデルマー競馬場で行われるブリーダーズカップに向けてローテーションが組まれることになりそうだ。