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英国競馬が史上初のストライキ、政府の増税案に抗議

2025年09月11日 12:05

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 英国競馬界は現地10日、同政府および財務省による競馬賭事税の増税案への抗議として、英国競馬統括機構(BHA)が8月に表明していたとおり同日に予定されていた4競馬場での開催を中止するストライキを実施した。

 今回の増税案は、現在15%に設定されている競馬などのスポーツ賭博の税率をオンラインゲームやスロットマシンなどの税率と同水準の21%に引き上げるというもの。レギュラス・パートナーズとデベロップメント・エコノミクスが実施した経済モデルによると、増税案による財政的影響は5年間で33000万ポンド(約659億円)と予測されており、2700人以上の雇用喪失が懸念されている。

 英競馬メディア『racingpost.com』は、競馬の未来を脅かす恐れのある政府による減税措置への警鐘としてこの日の紙面の一面を黒一色に白い文字だけで構成し、「このストライキがなぜ重要なのか、英国にとって競馬がなぜ重要なのかお読みください」と綴った。

 競馬メディア『Thoroughbred Daily News』は、91日に就任したBHA会長のアレン卿のメッセージを掲載。アレン卿は「英国競馬は、この競馬税引き上げ案がもたらす脅威は、まさに競馬界の存亡をかけた脅威であるため、前例のない措置として競馬を1日間中止することにした」と述べた。

 その上でアレン卿は「競馬は英国で2番目に大きな観客数を誇るスポーツであり、毎年85000人の雇用を支え、40億ポンド以上の経済価値を生み出している。しかし今、私たちの資金調達モデルとそれに依存する生活を壊滅させるような変化によって、これらすべてが危険にさらされている」と主張。「政府とあらゆる政党の政治家の皆様に直接申し上げる。これは些細な問題ではない。英国全土のコミュニティを守り、国家機関を守り、何千人もの人々の失業を防ぐことに関わる問題だ」と訴えた。