ブリーダーズカップフィリー&メアターフ

Breeders' Cup Filly & Mare Turf

2016/11/06(日)04時43分発走 ※発走日時は日本時間

サンタアニタパーク競馬場

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下馬評はレディイーライとセブンスヘブンの米愛2強対決

フルゲートより1頭少ない13頭で争われることになった2016年のBCフィリー&メアターフ。手頃な頭数でもあり波乱の目は少なそうな印象を受けるものの、小回りで高速ターフ、さらには序盤にダートコースを横切るという特殊な舞台設定が、結果に影響を与える余地は十分にある。下馬評は2強対決の様相を呈しているが、3番手以下も展開ひとつで大勢逆転が可能だ。

この路線でアメリカの現役最強牝馬と見られているレディイーライが前売り1番人気。通算8戦7勝、2着1回と連対をはずしたことがなく、信頼性は極めて高そうだ。3歳7月のベルモントオークス招待Sでデビュー6連勝を決めるも、その後に釘を踏むアクシデントに見舞われ、傷が元で蹄葉炎を患った。生命の危機にさらされながら、14か月近い休養を経て今年8月末に復帰。その時に喫したのが唯一の黒星だ。そんな過程を経ても、いきなり勝ち負けを演じる気力と体力は並大抵のものではない。叩き2戦目の前走で最重要プレップレースのフラワーボウル招待Sをあっさりとモノにしたように、国内組では筆頭評価も当然の器だろう。あとは遠征組との力関係か。

差のない2番人気に推されているのが、アイルランドからの遠征馬セブンスヘブン。世界を股に掛けて大活躍するエイダン・オブライエン調教師の管理馬で、ここまで愛オークスとヨークシャーオークスのG1を2勝と実績も十分ある。ヨークシャーオークスでは鋭い末脚を炸裂させ、先日の凱旋門賞を完勝したファウンドを下している。当時は平坦なヨーク競馬場で絶好の馬場状態に恵まれ、持ち味をフルに発揮することができただけに、高速コースで有名なサンタアニタパークは最良の舞台。前走のブリティッシュチャンピオンズ・フィリーズ&メアズSでは、出遅れて僚馬プリティパーフェクトとの連携に失敗したが、引き続き僚馬も出走する今回は、セブンスヘブン向きのペースを作りにくる可能性が高い。凱旋門賞で上位独占したオブライエン陣営の仕掛けが興味深いところ。

ヌーヴォレコルトとクイーンズトラストは名手のマジックに期待

マイケル・スタウト調教師が送り込むクイーンズトラストが3番手の評価を受けている。ここまでデビュー戦での1勝しかあげていない3歳馬だが、7月末のG1ナッソーSから前走のブリティッシュチャンピオンズ・フィリーズ&メアズSまで3戦連続でG1に挑戦し、すべて3着以内という堅実さは見逃せない。ヨークシャーオークスではセブンスヘブンに敗れたが、前走は序盤に左右から挟まれて後方に下がる不利。それでも直線はセブンスヘブンに伸び勝って3着を確保している。実力は紙一重と見えるところに、今回はランフランコ・デットーリ騎手との初コンビが決定。2戦連続でライアン・ムーア騎手のセブンスヘブンよりも伸びしろを見込める。

ここに割って入りたいのがヌーヴォレコルトだが、最悪の大外枠を引いてしまった。サンタアニタパークの芝2000mはコーナーにゲートが置かれ、東京競馬場の2000mのように外枠が不利。しかも、200m過ぎでダートコースを横切るため、スピードが乗りはじめる所で慎重にならざるを得ない。序盤の乗り方が非常に難しくなった。ただ、逆転の目は残されている。プリティパーフェクトが隣の12番枠から先行しそうで、勢いがつけばペースも上がる。セブンスヘブンのアシストに徹するなら、差し馬向きに流れる可能性も低くはない。11番には名手デットーリのクイーンズトラストもいる。この辺りの読みと駆け引きから武豊騎手が如何に乗るか。マジック炸裂に期待だ。

2頭出しは人気薄から? 力量確かなシーカリシ

4番人気のシーカリシはレディイーライと同じチャド・ブラウン調教師の管理馬で、前々走にG1ビヴァリーD.Sを快勝している。前走はフラワーボウル招待Sで僚馬に完敗しており、陣営の序列としては2番手で致し方ないところだが、欧州在籍の昨年にはヨークシャーオークスでクビ2つ差の3着、ヴェルメイユ賞でもトレヴの3着がある。トレヴには5馬身離されたものの、オルフェーヴルやキズナが凱旋門賞でつけられた着差と大きく変わらず、力量は確か。ブラウン師が最近4年で3勝、今回に3連覇を懸けるなど、このレースの勝ち方を熟知しているのも不気味だ。

ヌーヴォレコルトと人気で並ぶキャッチアグリンプスは、今年のベルモントオークス招待Sの勝ち馬で、昨年はBCジュベナイルフィリーズターフでも優勝。その戦歴はレディイーライの後を追うかのようだが、前走は先手を奪うも直線早々に失速して自己最低の7着に終わっている。今回は前述のプリティパーフェクトや、このサンタアニタパークが地元のアベンジらとの兼ね合いが課題だ。オブライエン師はベルモントオークス招待Sでクールモアが2番手追走から跳ね返され、BCジュベナイルフィリーズターフでもアリススプリングスが2着。管理馬がキャッチアグリンプスに連敗しており、ここで楽をさせてもらえるか。

この他では前走でG1E.P.テイラーSを制し、立ち回りの巧さがあるアルズギャルも注目の1頭。また、人気薄だがペルー芝女王の肩書きを持ち、日本では「トーセン」の冠名で知られる島川隆哉氏が所有するライアンズチャームも気になる存在だ。