明け3歳での海外遠征というタイミングの難しさもあり、日本調教馬には難関と考えられてきたUAEダービーだが、昨年ついにラニが優勝。そればかりかユウチェンジは3着、オンザロックスも5着と目覚ましい成果をあげたことで、俄然、現実的な選択肢として存在感を増した感がある。ただ、日本からドバイへ通じる道はまだ細く険しい。これを広く均していく役割を担っているのが今年のエピカリスだ。もちろん簡単な話ではないが、それを果たす可能性は少なからずある。

これまでUAEダービーにチャレンジした日本調教馬は13頭を数えるが、無敗かつ4勝以上をあげている馬の遠征は初めて。昨年の優勝馬ラニ、一昨年に大きな期待を集めて3着に健闘したゴールデンバローズよりも優秀な戦績の、いわば史上最強の挑戦者がエピカリスという訳だ。難なく先行できるスピード、一気にギアアップできる機動力と、ここまでのレースぶりは全く隙がない。遠征を控えたヒヤシンスステークスは、3か月半の休養明けを18キロ増の不足ない仕上げで完勝した。臨戦過程としても申し分なく、どんなレースを見せてくれるか期待はふくらむばかりだ。