デビュー当初は芝でキレずバテずの3連敗を喫したアディラートだが、4戦目にダート1400mを選ぶと衝撃的な大差勝ち。軽く仕掛けられた程度で走破時計は同日の古馬1000万下より0秒2遅いだけで、それも序盤600mの入りが約2秒遅かった分を詰めたものだった。同世代ではついていけないのも当然で、続く500万下も3馬身差の完勝で突破した。3連勝を賭けた前走のヒヤシンスステークスはエピカリスに完敗だったものの、巧みにペースを操って距離の融通性は示している。

ダートでは逃げて結果を出しているため、スピードが最大の武器に思えるが、この馬の真骨頂はセンスの高さだろう。芝では逃げたことがなく、好位や中団で力む素振りも見せずに折り合っている。2000mのデビュー戦では早め先頭から2着に粘り込んだ。UAEダービーの前哨戦ではUAE2000ギニー（1600m）のラップがアルバスタキヤ、UAE1000ギニーと比較して1枚上。その2000ギニーを5馬身3/4差で圧勝したサンダースノーは800mを47秒36で通過しており、ヒヤシンスSの49秒0よりもかなり速い。アディラートとしては激流をいなして流れに乗っていきたいところで、この辺りは昨年の優勝ジョッキーでもある武豊騎手のハンドリングに注目だ。