G1に挑戦したここ2戦は実に惜しい2着に敗れているものの、アウォーディーには文字通りに底知れない魅力がある。多くの競馬ファンが不思議がるように、天皇賞馬ヘヴンリーロマンスとダービー馬ジャングルポケットの間に生まれ落ちた産駒が、ダートで活躍するようになるとはなかなか想像できない。それもちょっとやそっとの活躍ではなく、ダート王も狙えるほどの大暴れなのだから驚かされるばかり。ダート初挑戦が5歳秋と遅れたのは今となって悔やまれる面もあるが、それは結果論というもので仕方がない。ダート転向後は6連勝を含む8戦パーフェクト連対でもあり、伸びしろは十分に残されている。

その試金石となるのが今回のドバイワールドカップだ。最強馬アロゲートの胸を借り、どこまで食らいつけるかによって、今後の展望も大きく変わってきそう。アロゲートに唯一迫ったカリフォルニアクロームも引退し、アメリカにさえ互角に戦える相手が見当たらない現状を思えば、アウォーディーの戦いぶり如何で本場ダート戦線への道も開けるのではないか。底を見せていないのだから、もちろん、ここで負かしてしまう夢もある。半弟ラニが昨年のUAEダービーで結果を出しているうえ、自身には芝で積んだ経験もあり、本格派ダートのスピードにも対応できるはず。どんな競馬を見せてくれるか楽しみだ。