香港ヴァーズ

Hong Kong Vase

2017/12/10(日)15時00分発走 ※発走日時は日本時間

シャティン競馬場

  

【香港ヴァーズ】有力騎手・調教師

2017年12月06日 12:00

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 昨年のリベンジを狙う一昨年の覇者ハイランドリールを管理するのは、お馴染みエイダン・オブライエン調教師。クールモアのメイン調教師として説明は不要で、今年の英国愛国クラシックシーンにおいて、チャーチルが英愛2000ギニーを、ウインターが英愛1000ギニーを、ウイングスオブイーグルスが英ダービー、カプリが愛ダービーと英セントレジャーをと席捲。さらに10月のレーシングポストトロフィーをディープインパクト産駒のサクソンウォリアーで勝利し、これまでロビー・フランケル調教師が持っていた年間のG1勝利数の最多記録を更新、11月のブリーダーズCジュベナイルターフをメンデルスゾーンで制し、さらに記録を伸ばした。

 ハイランドリールに騎乗するのは、こちらもお馴染みライアン・ムーア騎手。ジェンティルドンナ、モーリス、サクソンウォリアーに海外で栄冠をもたらせた一方で、10年の凱旋門賞ではワークフォースでナカヤマフェスタを接戦で下し、マカヒキが出走した昨年の凱旋門賞でもファウンドで勝利するなど、日本馬の強力なライバルとして立ちはだかってきた。一昨年からクールモアのエース騎手として契約すると、これまで以上に大レースで勝ち星を量産している。

 タリスマニックを管理するアンドレ・ファーブル調教師は、これまでに25回以上のフランスリーディングトレーナーとなり、凱旋門賞を7度勝つなど、フランスを代表する名調教師。外交官の息子で、大学卒業までは法律を学んでいたインテリだったが、その後競馬の世界に飛び込むと、障害騎手・障害調教師と経て、あれよあれよという間にトップにまで上り詰めた。今年は特に好調で、タリスマニックがブリーダーズCターフを勝ったほか、クロスオブスターズがガネー賞、アルウケアがジャックルマロワ賞を勝利。香港ヴァーズは過去にボルジアとフリントシャーで2勝している。

 タリスマニックに騎乗するミカエル・バルザローナ騎手はフランス南部のアヴィニョンの出身で、祖父が調教師、叔父が平地と障害の騎手という家庭に生まれた。デビュー前からファーブル調教師に師事し、早くからその才能を開花。19歳の頃にドバイのカーニバル開催に参戦すると、同年プールモワに騎乗して英国ダービーを制覇。さらに、ゴドルフィンの主戦のひとりとして迎えられると、翌年のドバイワールドCをモンテロッソで勝利するなど、若くして成功を掴んでいる。ここ数年は日本でも短期騎乗をしており、重賞も13年のアルキメデスでのチャレンジCなど3勝を挙げている。

 ティベリアンを管理するのは、フランスのアラン・クエティル調教師。85年に前出のファーブル調教師のもとでトラックライダーとしてキャリアをスタートさせると、13年後にアシスタントトレーナーに昇格。以降、05年に独立開業するまでファーブル調教師の右腕として、厩舎を支えた。開業後は、平地と障害の二刀流で所属馬を管理。GI戦線で活躍するシルバーウェーブを初期に管理し、後の飛躍へと繋げた。

 ティベリアンに騎乗するオリビエ・ペリエ騎手は過去フランスリーディング4回、凱旋門賞4勝というフランスを代表する騎手で、日本にも何度も来日しておりお馴染み。パトリック・ビアンコーヌ厩舎で修行し、見習い騎手チャンピオンになると、ここから大成功の階段を駆け上っていく。日本でも有馬記念を3連覇するなど、大レースでの勝負強さは特筆もの。香港でも香港カップ1勝、香港マイル2勝、香港ヴァーズ4勝と、国外の騎手としては群を抜いた成績を収めている。

 ケミカルチャージを管理するラルフ・ベケット調教師は、イギリスで長く続くホースマン一家に産まれ、自身も若き日にオーストラリアへと渡り、バート・カミングス、コリン・ヘイズといった当地のレジェンド級調教師の下で研鑽を積んだ。イギリスに帰国後、ピーター・ウォルウィン調教師のアシスタントとなり、00年にウォルウィン調教師を引き継ぐ形で厩舎を開業。10年より現在のキンプトンダウンステーブルを拠点としている。08年の英国オークスをルックヒアで制したのが最初のGIタイトルで、その後13年にタレントで英国オークスを、15年にシンプルヴァーズで英国セントレジャーを制している。

 ケミカルチャージに騎乗するオイサン・マーフィー騎手は22歳の若手注目株。アイルランド生まれで、チェルトナムゴールドCを勝ったジム・カロッティを叔父に持ち、彼に師事する形でポニーレースの騎手として少年時代を過ごした後、アンドリュー・ボールディング調教師の下に弟子入り。18歳でデビューすると、翌年には見習い騎手チャンピオンの座についた。今年10月にアクレイムに騎乗してラフォレ賞で初GI勝利を飾ると、2週後にはブロンドミーとのコンビでカナダのE.PテイラーSを勝利と、この秋に一気にブレイクを果たした。国外志向が強く、UAEや香港、オーストラリアなどで短期免許を取得して騎乗しているほか、現在はカタールレーシングとも騎乗契約を結んでいる。