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【香港カップ】有力騎手・調教師

2017年12月06日 12:00

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 ドーヴィルウォーディクリーの2頭を送り込むエイダン・オブライエン調教師は、クールモアのメイン調教師としておなじみ。今年の英国愛国クラシックシーンにおいて、チャーチルが英愛2000ギニーを、ウインターが英愛1000ギニーを、ウイングスオブイーグルスが英ダービー、カプリが愛ダービーと英セントレジャーをと席捲。さらに10月のレーシングポストトロフィーをディープインパクト産駒のサクソンウォリアーで勝利し、これまでロビー・フランケル調教師が持っていた年間のG1勝利数の最多記録を更新、11月のブリーダーズCジュベナイルターフをメンデルスゾーンで制し、さらに記録を伸ばし、さらにこのレースでも記録更新を狙う。

 ドーヴィルに騎乗するのは、こちらもお馴染みライアン・ムーア騎手。ジェンティルドンナ、モーリス、リアルスティールに海外で栄冠をもたらせた一方で、10年の凱旋門賞ではワークフォースでナカヤマフェスタを接戦で下し、マカヒキが出走した昨年の凱旋門賞でもファウンドで勝利するなど、強力なライバルとしても立ちはだかってきた。一昨年からクールモアのエース騎手として契約すると、これまで以上に大レースで勝ち星を量産している。

 ワーザーを管理するジョン・ムーア調教師は、85年に開業以来、7度の香港リーディングを獲得。目下の香港の調教師における、通算最多勝利と最多獲得賞金を記録し、日々これを更新している。これまでにもヴィヴァパタカ、ワーザー、デザインズオンローム、コレクション、ダンエクセルといった、2000m路線の名馬を多く手がけて、香港における高額賞金レースを総なめにしているが、意外にもこのレースの勝利は、一昨年のデザインズオンロームのほか、国際G3の香港国際カップだった93年のモチベーションのみ。

 騎乗するのはトミー・ベリー騎手。この9月からムーア調教師との主戦契約騎手として香港でレギュラー騎乗している。91年にオーストラリアで、元騎手であり調教師の父・ケビンの下で双子の兄として生まれた。弟のネイサンとともに、父の下で見習い騎手として研鑽を積むと、09/10シーズンのシドニー地区の見習い騎手チャンピオンを獲得。12年にエポレットとのコンビでゴールデンローズSを勝利しG1初勝利を飾ると、シドニーのゲイ・ウォーターハウス調教師の契約騎手としてオファーが舞い込み、翌年にはゴールデンスリッパーを勝利、さらに香港クイーンエリザベス2世Cでのミリタリーアタックの鞍上に抜擢され、見事にその期待に応えて以来、ダンエクセル、ヘレンパラゴンなどとのコンビで結果を残し、ムーア調教師とは良好な関係が続いている。

 ポエッツワードで参戦するのは“サー”マイケル・スタウト調教師。45年にカリブ海のバルバドス(当時は英国領)に生まれ、10代でイギリス本国に渡ったのちに、27歳で厩舎を開業させると、10年目に英国ダービーを勝利。以来英国ダービー5勝などを挙げ、98年にはエリザベス2世女王からナイトの称号を受勲した。今年もユリシーズがエクリプスS、さらに英インターナショナルSとG1を2勝するなど健在。親日的な調教師のひとりで、96年にシングスピール、97年にピルサドスキーでジャパンカップを連覇。海外の調教師として唯一ジャパンカップ2勝を挙げている。香港では国際ボウルをソヴィエトラインで、ヴァーズをダリアプールでそれぞれ勝利している。

 騎乗するのはアンドレア・アッゼニ騎手。91年にイタリアのサルディーニャ島で生まれた。07年にイギリスのマルコ・ボッティの下で騎手免許を取得、徐々に頭角を現すと、12年にイタリアのリディアテシオ賞をソーティレージに騎乗してG1を初勝利。以来、トップジョッキーとして活躍を続けている。昨年の凱旋門賞では1番人気のポストポンドに騎乗したのは記憶に新しい。今年もデコレーテッドナイトなどで大レースを多く勝利しており、風格は十分。

 シークレットウェポンデニス・イップ調教師は、香港の騎手アカデミーを卒業後、84年から93年までの間、香港の騎手として活躍。引退後は香港の名調教師ブライアン・カンに師事、アシスタントトレーナーを経て、勇退するカン調教師を引き継ぐ形で、02/03シーズンに自身の厩舎を開業。翌シーズンには引き継いだうちの1頭レッドペッパーがG3センテナリーヴァーズを勝って重賞初勝利。12/13シーズンはもつれにもつれた調教師リーディングを、最終開催日の最終レースを勝利して大逆転で獲得した。