COLUMN

コラム

ニュース/コラム

【世界の騎手紹介 Vol.32】ジュリアン・ルパルー

2019年08月28日 15:00

  • 友だち追加数

アメリカのトップジョッキー。2019年には日本から遠征したマスターフェンサーの手綱を取ってG1ケンタッキーダービーとG1ベルモントステークスに出走。前者では直線で素晴らしい伸び脚を見せて、日本調教馬の過去最高着順となる6着に入って見せた。

ジュリアン・ルパルー騎手はフランス出身で、1983年7月15日生まれ。父は元騎手。2003年にパトリック・ビアンコーヌ調教師のエクササイズライダーとしてアメリカに渡ったが、騎手としての才能をビアンコーヌ調教師に見出され、2005年に騎手免許を取得してデビューした。

KYダービーで日本調教馬の過去最高着順に入ったルパルー騎手。(Photo by Getty Images)

すると、瞬く間に頭角を現し、翌2006年にはG1初制覇となったビヴァリーD.ステークス(勝ち馬ゴレラ)を含む403勝(この年の北米最多)をマークし、米最優秀見習い騎手のタイトルを獲得した。

その後、2009年にはシービーワイルドでBCジュベナイルフィリーズ、ファーゼストランドでBCダートマイル、インフォームドディシジョンでBCフィリー&メアスプリント、アインシュタインでサンタアニタハンデキャップを制すなど9つのG1勝ちを収め、米最優秀騎手の座に君臨。以降も、2015年にテピンでG1・BCマイル、2016年にクラシックエンパイアでG1・BCジュベナイルに勝ってそれぞれを米最優秀芝牝馬、米最優秀2歳牡馬へと導いたほか、テピンでは2016年に英ロイヤルアスコット開催のG1クイーンアンステークスにも勝った。

フランス出身の騎手らしい当たりの柔らかさが持ち味で、道中をスタミナロスなく進んで、最後の直線で末脚を弾けさせるというのが十八番。KYダービーが行われるチャーチルダウンズ競馬場は最も得意とする競馬場で、これまで開催リーディングに輝くこと計9回。同競馬場最多タイの1日7勝(2008年11月11日)という記録も持っている。

近年のG1勝ち
2019年
ベルモントオークス(アメリカ):コンクリートローズ

2018年
ソードダンサーS(アメリカ):グロリアスエンパイア
メーカーズ46マイルS(アメリカ):ハートトゥハート
ガルフストリームパークターフS(アメリカ):ハートトゥハート

2017年
アルシバイアディーズS(アメリカ):ヘヴンリーラヴ
ソードダンサーS(アメリカ):サドラーズジョイ
デルマーオークス(アメリカ):ドリームダンシング
ターフクラシックS(アメリカ):ディヴィジデロ
アーカンソーダービー(アメリカ):クラシックエンパイア

2016年
BCジュベナイル(アメリカ):クラシックエンパイア
ブリーダーズフューチュリティ(アメリカ):クラシックエンパイア
ウッドバインマイル(カナダ):テピン
クイーンアンS(イギリス):テピン
エイコーンS(アメリカ):カリーナミア
ジェニーワイリーS(アメリカ):テピン

文:秋山 響(TPC)