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【チェアマンズスプリントプライズ】土屋真光の見解

2021年04月24日 11:10

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 レベルの高さと層の厚さから、“短距離王国”と呼ばれて久しい香港の短距離路線。しかし、目下のところは、これといった目ぼしい馬もおらず、玉座は空位。次期王位候補に相応しい馬も不在といえる状況で、王国崩壊の危機であると言っていいだろう。

 対照的に、充実ぶりが目覚ましいのがダノンスマッシュだ。昨年12月の香港スプリントでG1初勝利を飾ると、3月の高松宮記念も苦手とされる渋った馬場を突き抜けた。6歳を迎えて地力強化は明らかであり、王国の地盤沈下もあって、間違いなく日本のオッズでは断然の1番人気が予想される。J.モレイラ騎手を配せたことも心強い。

 では、ダノンスマッシュで間違いないだろうか。筆者の答えは“否”だ。

 その理由として、地力強化は否定しないが、昨年の香港スプリントはあまりにもダノンスマッシュに展開が向き過ぎたことだ。道中は前後がポッカリ空いた中団を追走、4コーナーではスムーズに外に持ち出して、外から来たのは本調子からほど遠かったタワーオブロンドンのみで、直線ではクリアな進路を突き抜けるだけだった。しかし、同じような展開となるかは甚だ疑問だ。470kg前後のダノンスマッシュは香港のトップスプリンターたちと比べると馬格の面では劣ってしまう。直線でゴチャつけば当たり負けの可能性が高い。もちろん、あっさりと突き抜けることもあるだろうが、黙っていいようにやらせるほど地元勢もお人好しではないだろう。

 そこで1番手は、ウェリントンとする。前走のスプリントCでは1番人気に推されながら5着に敗れた。前々走のクラス1でほぼ同メンバー相手に1分7秒8の好タイムで勝った際は斤量が113ポンド(≒51.5kg)の最軽ハンデで、前走は10ポンド増の123ポンド(≒56kg)に敗因も求められるが、それ以上に、終始外を回されたレース内容こそ敗因と考えられる。クラス2は127ポンドで勝っており、斤量に泣くタイプとは考えにくい。

 2番手には、前走スプリントCで2着のストロンガー。ベストは1000mで1200mでは使える脚に限りがあるが、ここ2戦で新たな面を見せつつある。前走は展開が向いた中で2着に敗れはしたものの、ゴール前の脚は際立っていた。

 3番手にはウィッシュフルシンカー。昨年の香港スプリント4着、前走のスプリントC4着のように、差し合いになったときに飛んで来るのがこの馬。展開に注文はつくものの、一発長打の魅力がある。

 以下、時計面に課題も展開向くビューティーアプローズ、前走はちぐはぐだったヴォイッジウォリアースカイフィールド、ダノンスマッシュまで。

土屋真光

フリーライター。国内外中央地方を問わず取材。特に香港・マカオ競馬事情には強いが、近年は南アフリカ、バーレーン、カタールなど日本ではメジャーではない土地に力を入れている。JRA公式HP、『競馬ブック』、『Sportiva』などに寄稿。

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