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ムーアに聞いた「勝つためのポイント」/凱旋門賞

2019年10月08日 17:08

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【パリ=太田尚樹】日本馬が凱旋門賞を勝つためのポイントは? 69年のスピードシンボリの挑戦から50年。今年も勝つことはできなかった。13年にオルフェーヴルが2年連続の2着に敗れてからは、5着以内に入ることすらできていない。

 世界最高峰レースの余韻が残るパリロンシャン競馬場で、りんごをかじりながら1人で引き揚げるライアン・ムーア騎手(36)を呼び止めた。世界中のG1で100勝以上を挙げ、凱旋門賞でも2勝(10年ワークフォース、16年ファウンド)をマーク。毎年のように短期免許を取得している知日家の名手に、日本馬が凱旋門賞に勝つためのポイントを聞いた。

「馬場が大事だろうね。軽い年もあれば、重い年もある。今日のような馬場は、日本馬にとっては経験したことがないもの。こんな馬場には慣れていない」

 言い換えれば「運」なのか。凱旋門賞が行われる時期のパリ近辺は例年、雨が多い。今年を入れた過去10年の馬場状態は良が5回、重が5回。勝ち時計は2分23秒61(16年ファウンド)から2分37秒68(12年ソレミア)まで14秒以上の幅がある。誰にも変えられない天気と馬場は、まさに運といえる。

 さらに、パリロンシャンの芝は天候による変化が大きい。フランスの第一人者スミヨン騎手は「ここの馬場は特殊。(この日は)粘りが強かった」と評する。川田騎手も「こちらの方の話を聞いても『例年以上にタフ』ということでした。ツメが(地面に)刺さるような馬場。こちらでは『少し重い馬場』でも、日本馬にとってはとてつもなく重く感じますから」と指摘した。日本の軽い馬場で実績を残してきた馬たちは力を発揮できなかった。

 ムーア騎手は「慣れていない」という言葉を使った。この「慣れ」があれば、対応できる可能性は高まる。海外4カ国でG1を制している角居師は「半年近くこちら(欧州)にいられれば理想かなと思う。ディアドラもこちらに滞在して結果が出たので」と分析する。ただ、かつてのようにJRAから褒賞金や遠征補助が出なくなった今では、金銭面に加えて検疫の問題もあり、長期遠征のハードルは高い。

 もちろん、チャレンジしなければ勝つことはできない。馬場という運に恵まれた時に、チャンスを生かせる準備ができていれば、日本競馬界50年の悲願達成は夢ではない。今回は英ニューマーケット滞在という新たな試みも見られた。敗因を精査した上で、挑戦と試行錯誤を続けるしかない。人事を尽くして天命を待つ-。それがすべてだろう。

出典:日刊スポーツ

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