【香港スプリント】土屋真光の見解
2017年12月08日 17:30
ジョン・サイズ調教師がミスタースタニング、ザウィザードオブオズ、アメージングキッズ、ディービーピンと、いずれもチャンス十分の4頭を送り込む。ただ、これらはいずれも差し馬。ザウィザードオブオズやアメージングキッズは実際にペースが合わずに見せ場なく終わったことも少なくない。
その展開面で、何が何でもテンに行きたいのはペニアフォビア。ただ、ナチュラルに速いのではなく、押して押してというタイプで、速さということでいえばワンスインナムーン、ストーミーリベラルも負けてはいない。流れ次第では、2番枠のワンスインナムーンが外からのペニアフォビアを突っ張って、脚を使わせることも考えられる。となると有利なのはその次の列。
一番手はワンスインナムーンの直後で競馬をすることが考えられるラッキーバブルズとする。前走のジョッキークラブスプリントも同じ1番枠だったが、前走は前半800mのレースラップが46秒89とあまりにも遅く、馬群が密集したため、再三に渡って不利を受ける場面もあった。今回は国際招待G1で5月に行われたチェアマンズスプリントプライズと同様のペースになるとなれば、むしろ好枠といえる。ましてや、その5月に騎乗したヒュー・ボウマン騎手が今回も騎乗する。前走も不利を受け、ダメージを最小限に抑えるべく最後はザカリー・パートン騎手が追うのをやめたが、それでいても自身から前に向かっていく姿を見せた。3年前のエアロヴェロシティを彷彿とさせるトライアルだった。
2番手はその外で競馬をするであろうミスタースタニング。前走の勝ちっぷりも鮮やかであったが、この馬の強さを感じたのは2走前のG2プレミアボウル。トップハンデを背負って1分8秒1の出色の勝ちタイム。下手に後方で待機することがなければ、ラッキーバブルズとは当然勝ち負けになるはず。力量的には全く差はない。
3番手には敢えてフランスのサインズオブブレッシング。昨年も伏兵として名前を挙げたところ、5着と大健闘を見せた。今年はアベイドロンシャン賞12着から2ヶ月ぶりのレースだが、前走の大惨敗はソフトな馬場で持ち味を殺されてのもので、無理をしなかったと見て度外視。前々走のG3モートリー賞が良馬場で1分8秒96なら、香港の馬場ならさらに前進が期待できる。
日本の2頭はともに枠順は恵まれたが、ワンスインナムーンは重賞未勝利で格としてやや厳しく、レッツゴードンキも後ろから行くようであれば、香港馬相手に切れ味で勝負になるかどうか。ただ、レッツゴードンキの場合、前向きな気性がうまくハマれば、という期待もわずかにある。