【凱旋門賞】日本馬向き!?パリロンシャンの馬場“潜入”2日時点では芝丈短く、路盤硬い
2025年10月04日 15:20

【パリ(フランス)=藤本真育】凱旋門賞(G1、芝2400メートル、5日=パリロンシャン)の舞台に、マイク(藤本真育)記者が“潜入”した。2日にゴール前から、今夏に改修工事をしたフォルスストレートまで芝コースを歩いてチェック。同日時点では芝丈は短く、路盤も硬い馬場で明らかに日本馬向きの状態。ただ、現地では3日夕刻から降雨予報が出ており、馬場状態の推移に注目が集まりそうだ。
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大一番を前に、パリロンシャンの芝コースに足を踏み入れた。2日時点の馬場状態は10段階評価でちょうど真ん中5番目のボンスープル(JRA表記でやや重)。路盤が緩く、もっと沈み込むような馬場なのかと思ったが、日本の函館や札幌競馬場と似ていて、路盤が硬く、芝丈が短い洋芝というイメージだった。
この日の芝の長さは場所によって違いはあるものの、平均して10センチほどで、週末にかけて9センチまで短くするという。日本の野芝より少し長いが、JRAの馬場と印象は変わらない。また、同場のシャルル・ド・コルドン場長が「9月7日に6ミリの散水をしました。それ以降は散水していません。今後、予定もありません」と話すように、さらに乾いた10段階中4番目のボン(JRA表記で良)を目指せる馬場状態だ。
加えて、今夏のパリ大賞後に行われた大規模なフォルスストレートの改修工事で水はけの改善も見込める。同部分は競馬場の中で一番標高が低く、近くに池があることもあり、他の部分に比べて水がたまりやすい。そのため、以前から騎手の中で「フォルスストレートがあまりに重く、ぬかるんでる」という意見が多かった。夏の改修では、内側から等間隔に幅5センチ、深さ30センチの穴を空け、砂を入れることで水はけが改善。全ての部分が均一になったという。実際に足を踏み入れたが、水はけが悪い印象はなかった。
2日時点で、日本馬には追い風の馬場状態だが、現地3日夕刻から、4日朝までまとまった雨が降る予報。馬場の悪化が予想される。「予報通りの雨量なら馬場はペネトロメーターの計測値で3・9のトレスープル(10段階評価の悪い方から4番目/JRA表記で重馬場)となる見込みです」とド・コルドン場長。日本馬にとってレース当日までの雨量は重要な鍵だ。
フランスの前哨戦を制した日本馬3頭は、多少の雨なら問題ない。クロワデュノールの斉藤崇師は「前走で重い馬場もある程度こなしていますから」。ビザンチンドリームの坂口師も「多少ならこなせると思います」。アロヒアリイの田中博師も「この子の血統背景、走行バランス、気持ちなどを含めてこちらの競馬に合うと思って連れてきています」と手応えを伝えている。レース当日、馬場がやや重までで持ちこたえるなら、日本競馬の悲願があってもおかしくない。