【凱旋門賞】過去10年のデータから傾向を探る【解説コラム】

2016年09月26日 15:00

 今年で95回目を迎える凱旋門賞。2006年以降の近10年のデータから過去の傾向を探っていく。

 まずは性齢別成績から。出走数が多い3歳馬が最多の7勝をあげている。なかでも3歳牝馬は08年ザルカヴァ、11年デインドリーム、13年トレヴと3勝。出走数10頭以上では、勝率・連対率・複勝率いずれもトップと好成績を示している。斤量が54.5キロと恵まれている点も大きく影響しているだろう。56キロで出走できる3歳牡馬は昨年のゴールデンホーンら最多の4勝をあげている。

 斤量59.5キロを背負わされる4歳以上の牡馬は07年ディラントーマスの1勝のみ。4~6歳牡馬は2・3着が多い点に注意が必要だ。4歳牝馬(斤量58キロ)は一昨年のトレヴら2勝。勝ち馬10頭はすべて3~4歳の馬だった。

 続いて人気別成績。1番人気馬は08年ザルカヴァ、09年シーザスターズの2勝。連対率40%・複勝率50%とそれほど高くない。

 以下、2番人気馬が13年トレヴの1勝。3番人気馬が昨年のゴールデンホーンら2勝。以下、4~6番人気馬が2勝、7~9番人気馬が1勝、10番人気以下が2勝となっている。10番人気以下の勝利は11年デインドリーム(11番人気)と12年ソレミア(12番人気)。特にデインドリームが勝利した11年は2着に15番人気馬、3着に8番人気馬が激走する大波乱となった。

 また、2・3着は4番人気以下の伏兵の激走が目立っている。各国から強豪馬が集まり、波乱傾向が強い一戦といえそうだ。

 表3は前走レース別成績。3歳以上の牝馬限定戦のヴェルメイユ賞組が一昨年のトレヴら最多の4勝をあげている。5勝をげている牝馬でこの組が4勝と、ぜひチェックしておきたいローテーションだ。

 アイルランドのチャンピオンS組は昨年のゴールデンホーンら3勝。勝ち馬3頭はすべて前走のチャンピオンSを勝利していた。

 他のレースからはバーデン大賞組(11年デインドリーム)・キングジョージ組(10年ワークフォース)・ニエル賞組(06年レイルリンク)が1勝ずつ。このなかでバーデン大賞組の3着以内馬4頭はすべて7番人気以下の伏兵だった。この組の激走には注意が必要だ。

 最後にフォワ賞組は勝ち星がなく、2・3着止まり。日本馬で2着に入った10年ナカヤマフェスタ、12年・13年オルフェーヴルはいずれも前走でフォワ賞を使われていた。

 調教国別成績は出走数最多のフランス調教馬が13年・14年に連覇を達成したトレヴら5勝をあげている。昨年の2・3着馬が該当し、毎年1頭は3着以内に入っている。

 続いてイギリス・アイルランドが2勝ずつをあげている。イギリス調教馬は勝率・連対率・複勝率ともに開催国フランスを上回っている。アイルランド調教馬は近6年で3着以内馬が出ておらず、連対率・複勝率ともに低い。少数ながら、ドイツ調教馬は11年デインドリームが勝利し、複勝率33.3%と優秀だ。なお、日本調教馬は過去の凱旋門賞においてまだ優勝馬が出ていない。

 最後に好走馬の特徴として、リピーターが多いことを挙げておきたい。連覇したトレヴだけでなく、07~09年において3年連続2着のユームザイン、12年・13年2着のオルフェーヴル、一昨年・昨年2着のフリントシャーが続けて好走している。