ベルモントSの気になる有力騎手・調教師はコチラ!

2017年06月07日 12:00

 G2タンパベイダービーの勝ち馬タップリットと、G2ルイジアナダービー2着馬のパッチを出走させるトッド・プレッチャー調教師は、これまでに過去4回の全米リーディング(賞金順)を獲得。調教師だった父親の元で幼少時から競走馬に接し、大学進学後はチャーリー・ウィッティンガム調教師、ウェイン・ルーカス調教師といった殿堂入りクラスの調教師に師事してきた。95年に開業すると、早くから高いレベルでの成績を残しており、昨年3月には通算4000勝を達成。昨年は賞金ベースで全米2位、勝利数ベースでは全米3位。管理するオールウェイズドリーミングが今年のケンタッキーダービーを勝利。続くプリークネスステークスで二冠を狙うも8着に敗れたが、ベルモントSにはそのプリークネスSをパスした2頭を送り込み、同厩舎による変則二冠を狙う。ベルモントSは過去に07年にラグズトゥリッチズ、13年にパレスマリスで制している。

 タップリットに騎乗予定のホセ・オルティス騎手は、兄もジョッキーのイラッド・オルティスJr。プエルトリコ出身で、東海岸を中心に騎乗。兄同様に早くから頭角を現すと、14年に早くも全米賞金順リーディング5位に顔を出し、以降15年4位、16年3位と着実に成績を上げてきている。また、昨年はオスカーパフォーマンスに騎乗して、ブリーダーズカップジュヴェナイルターフに勝利するなど、大レースでも存在感を発揮している。兄イラッドは、昨年のベルモントSを勝利。2年続けて兄弟での制覇なるか。

 パッチに近2戦騎乗し、今回も騎乗予定のタイラー・ガファリオン騎手は14年デビューで、今年のケンタッキーダービーがG1初騎乗という新鋭騎手。祖父ボビー、父スティーブともに騎手という家庭に生まれた。幼少の頃から父の騎乗姿を見ながら、与えられたポニーで騎乗技術を磨き、デビュー翌年には200勝以上を上げるなど活躍。徐々に頭角を現し、今年のブレイクに繋げている。

 ルッキンアットリーを管理するスティーヴン・アスムッセン調教師は両親がともに調教師、兄も後に騎手となるキャッシュ・アスムッセンという競馬ファミリーに生を受ける。10代の頃は兄同様に騎手として活動していたが、体格が騎手に不向きに成長したことから調教師に転身した。2000年前後からの活躍が顕著で、02年には北米の調教師リーディングとなり、その翌々年には年間555勝の北米年間勝利数記録を打ち立て、08年には自身でその記録を破っている。07年にはカーリンでプリークネスS、BCクラシックなどを制覇。翌年にはドバイワールドカップも同馬で制している。また、09年には牝馬のレイチェルアレクサンドラでプリークネスSを勝利している。昨シーズンは賞金順で北米5位、勝利数順では北米2位となった。その中には、クリエイターで制した昨年のベルモントSも含まれている。

 ルッキンアットリーに騎乗予定なのが74年ルイジアナ州生まれのコーリー・ラネリー騎手。祖父、父ともに調教師という家に生まれ、幼少の頃より競走馬の調教の手伝いを行い、91年にプロ騎手としてデビュー。以来、ケンタッキー州を拠点に騎乗し、昨年通算4000勝を達成。特にチャーチルダウンズ競馬場では10度のリーディング騎手となっているが、一方で同競馬場で行われるケンタッキーダービーには今年を含めて3度しか騎乗したことがなく、当地ではある種の七不思議として扱われている。

 アイリッシュウォークライを管理するグラハム・モーション調教師は64年にイギリスのケンブリッジ生まれで、ニューマーケットで幼少期を過ごした。父マイケルはタタソール社のブラッドストックエージェントで、後に北米におけるタタソールの代表者となると、家族でアメリカに移住した。キャリアとしては、ジョナサン・シェパード調教師のもとで6年間師事したのち、フランスに渡りジョナサン・ピース調教師のもとで研鑽を積むと、90年にアメリカに帰国。バーナード・ボンド調教師のアシスタントとなった。92年にボンド調教師が勇退するのに合わせて調教師免許を取得、厩舎を引き継ぐ形で開業した。最初に広く名を知らしめたのは、04年BCターフなど芝のG1レースを勝ちまくったベタートークナウで、その後、アニマルキングダムで11年ケンタッキーダービー、さらに13年ドバイワールドカップなど次々と大レースを制している。