【香港カップ】レース傾向

2017年12月06日 12:30

 昨年はモーリスが直線で抜群の伸び脚を見せて、引退レースを快勝した香港カップ。過去10年のデータから過去の傾向を探っていく。

 まず表1は人気別成績。1番人気馬が昨年のモーリスら最多の4勝をあげており、連対率・複勝率60%。以下、2番人気馬が3勝、3番人気馬が2勝しており、1~3番人気で9勝と上位人気馬が勝ち切る傾向が強い

 対して、2着馬・3着馬は下位人気まで幅広く分布。特に6~9番人気の馬は一昨年エイシンヒカリ(9番人気)が勝利し、2着3回・3着4回と馬券に多く絡んでいる。上位3番人気以内の馬をアタマに据えて、伏兵へのヒモ荒れに期待するのも面白い作戦といえるかもしれない。

 続いて表2は前走レース別3着以内数。前哨戦のジョッキークラブカップ組が14年デザインズオンロームら最多の4勝をあげている。昨年2着のシークレットウェポンもこの組で、近8年で毎年1頭は3着以内に入っている。この組の3着以内馬12頭はいずれも前走で5着以内に入っていた。

 天皇賞・秋組は一昨年のエイシンヒカリ、昨年のモーリスと2年続けて勝ち馬を輩出。昨年3着のステファノスもこの組で、活躍が目立っている。エリザベス女王杯組の勝利は10年スノーフェアリーで、一昨年はヌーヴォレコルトが2着と好走している。

 その他のレースからも多く好走馬が出ているが、日本の天皇賞・秋組とエリザベス女王杯組は有力と位置づけて良いだろう。

 表3はゲート番別成績。最内の1番に入った馬が13年アキードモフィードら最多の3勝をあげている。これら内~中の1~8番ゲートに入った馬が9勝と勝ち星の大半を占めている。

 対して、2着馬・3着馬は内外まんべんなく出ている印象。勝ち馬候補としては内目の1~8番ゲートの馬を重視したい。

 最後に表4は国別3着以内数。香港勢が14年デザインズオンロームら最多の4勝をあげているものの、香港スプリントや香港カップほど圧倒的ではない。

 日本馬は一昨年のエイシンヒカリ、昨年のモーリスと2連勝中。13年トウケイヘイロー、一昨年のヌーヴォレコルトも2着に入っており、勢いでは一番といえる。他ではイギリス調教馬が2勝、フランス・南アフリカ調教馬が1勝ずつ。

 好走している日本馬5頭は表2で示したように前走天皇賞・秋組かエリザベス女王杯組。また、勝利したエイシンヒカリとモーリスはともに海外でG1実績を残せる精神的なタフさを持ち合わせていた。その点でネオリアリズムは4月に今回と同じコースのG1・クイーンエリザベス2世カップを勝利しており、日本馬の3連覇は大いに期待できるといえそうだ。