【世界の騎手紹介 Vol.24】ジム・クローリー
2019年03月20日 15:00
2016年に38歳で初の英チャンピオンジョッキーの座に就いた遅咲きのベテラン。現在はドバイのハムダン殿下(英2冠馬ナシュワンなどの馬主。近年ではタグルーダがG1英オークスやG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制覇)の主戦を務める。
イギリス出身のジム・クローリー騎手は1978年7月14日生まれ。ポイントトゥポイント(アマチュアによる障害競馬)用の競走馬を調教していた両親の下で育ち、自身はまず障害競馬で活躍。障害の重賞を含む300ほどの勝ち星を積み重ねた後、2006年に平地に転向。当初はA.ペレット調教師(クローリーの妻ルシンダとは姉妹)のバックアップを受け、その後は14年の夏までR.ベケット厩舎の主戦騎手として活躍し、09年にはフランスのG1ジャンプラ賞をロードシャナキルで制してG1初勝利。11年にはプロヒビットでG1キングズスタンドステークスに勝って地元イギリスでもG1タイトルを手に入れた。
大きくブレイクしたのは2016年。8月に38勝、9月には46勝(1884年6月にF.アーチャー騎手、1949年8月にG.リチャーズ騎手が記録した45勝を上回る英国月間新記録)と驚異的なペースで勝ちまくり、結局148勝を挙げて初のリーディングタイトルを手にした。
すると、その活躍が認められ、ハムダン殿下の主戦に抜擢。就任1年目の2017年10月にはフランスのG1アベイドロンシャン賞をハムダン殿下のバターシュで制して、さっそくその期待に応えている。また、2017年はユリシーズでG1エクリプスステークスとG1英インターナショナルステークス、ヒアカムズホエンでG1サセックスステークスを制するなど大レースでもその勝負強さを見せた。
近年のG1勝ち
2018年:
コモンウェルスC(イギリス):エクティダール
2017年:
アベイドロンシャン賞(フランス):バターシュ
英インターナショナルS(イギリス):ユリシーズ
サセックスS(イギリス):ヒアカムズホエン
エクリプスS(イギリス):ユリシーズ
文:秋山 響(TPC)