【ドバイWCデー回顧】アーモンドアイが世界を制す! 日本馬がG1を1勝、2着3回

2019年04月01日 11:30

 馬券を買って応援するファンの声が届いたのか芝1800mのドバイターフは予想されたとおりアーモンドアイ(美浦・国枝厩舎)が完勝。芝2410mのドバイシーマクラシックはオールドペルシアンに優勝を奪われたものの、シュヴァルグラン(栗東・友道厩舎)が2着、スワーヴリチャード(栗東・庄野厩舎)3着と健闘。その後に控えたドバイワールドカップが霞むほどの熱気が真夜中の日本を包み込んだ。

 第4競走に組まれたG1アルクオーツスプリント(1200m)を制したブルーポイントの勝ちタイムは1839。これはトラックレコードに015遅いだけ。木曜までの雨の影響がまったくないことを感じさせた。

 第7競走のドバイターフは、アーモンドアイに熱い視線が注がれた。百戦錬磨のC.ルメール騎手にはプレッシャーも無縁。人馬はパドックから他の馬とは異なるオーラを放っていた。好スタートを切ったアーモンドアイは地元センチュリードリームの逃げを中団で追走。コーナーに飛び込んで450mのホームストレッチに向くと脚があがったセンチュリードリームを簡単に交わして先頭に立った。あっという間に後続を突き放す瞬発力はクラスの違いを見せつけるもの。父ロードカナロアが、引退戦としたG1香港スプリントで見せた誇り高き姿が蘇った。直線で必死にアーモンドアイを追いかけて2着になったヴィブロス(栗東・友道厩舎)は、このレース、3年連続出走して[122]着。相性の良いワンターンの1800m戦という追い風もあって、アーモンドアイを除く世界の強豪を完封してみせた。引退レースで全力を出しきったのではないだろうか。人気のなかった英国馬ロードグリッターズは馬群にもまれることなく馬場の良い外目を追走、直線伸びて3着に善戦した。ディアドラ(栗東・橋田満厩舎)は外に出すまでのロスが響いて4着。「2000mが最も向いている」というJ.モレイラ騎手のコメントが、次走に予定される香港クイーンエリザベス2世カップ(シャティン競馬場、芝2000m)を楽しみなものにしている。

 5年前のこのレースに勝ったジャスタウェイは後続に6馬身1/4差をつけて優勝。勝ちタイムの14552もレコードタイムとなったことからレース後に世界一のレーティングを戴いて、その名を天下に轟かせた。アーモンドアイは1馬身1/4差で、タイムも14678と平凡だったのでレーティングが大きく上がることはないかもしれない。しかし、直線で抜け出したときの開催で一番の大歓声は、つぶらな瞳がチャームポイントのこの馬が類い希な才能の持ち主であることを皆が認めている証しである。

 想っても詮無いことだが、ここに英国のエネイブルが出ていたなら結果はどうなっただろうか。それが明らかになる秋の凱旋門賞が待ち遠しくなった。

 芝2410mのG1ドバイシーマクラシックは直線で満を持して追い出したオールドペルシアンが力強い脚色を披露して快勝。絶妙の追い出しを図ったシュヴァルグランは後方から良く追い上げたものの勝ち馬に機先を制されて2着。後方からの競馬で直線に賭けるしかなかったスワーヴリチャードは、最後に意地をみせての3着。人気を集めたレイデオロ(美浦・藤沢厩舎)は果敢に先頭を切ってペースをつくったが、マジックワンドに並びかけられると徐々に後退。最後は6着で入線した。勝ったオールドペルシアンは、この開催に強いドバウィを父に持つ4歳牡馬。昨年の愛ダービーではラトローブに約4馬身差の6着だったが、シーズンオフを経て心身共に成長を遂げ、メイダンでは鮮やかに差しきった前哨戦に続く連勝となった。欧州に戻ってからのスケジュールは明らかにされていないが、順当なら英ダービーデー前日に行われるG1コロネーションカップ(エプソム競馬場、芝2410m)が候補に挙がるはず。ここにはエネイブルの参戦も噂されており、もし両馬がぶつかるようならば、凱旋門賞を占う意味でも恰好の物差しとなるはずだ。

 これに先立って行われたG1ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200m)に出走した武豊騎手騎乗のマテラスカイ(栗東・森厩舎)9番枠から好スタートを決めて、3番枠からハナを主張したエックスワイジェットの2番手を追走。緩みのないペースに喰らいついてそのまま2着で入線した。勝ちタイムの11075は昨年、マインドユアビスケッツが記録したレコード(11012)063差という優秀なもの。エックスワイジェットは3度目の正直でドバイG1初勝利。2着したマテラスカイは米国のG1ウイナーのインペリアルヒントを3着に従えての堂々の競馬。世界(=米国)でも十分に通用する能力を明らかにした。

 メイン競走のG1ドバイワールドカップに出走を予定していたケイティブレイブ(栗東・杉山厩舎)がレース前日に疝痛を発症して無念の出走回避。残った12頭が優勝賞金の720万ドル(79200万円)を争った。レースは意表を突く逃げに出たグロンコウスキーと、ディフェンディングチャンピオンのサンダースノーが直線で轡(くつわ)を並べて一騎打ち。C.スミヨン騎手のサンダースノーがハナだけ前に出て史上初の連覇を達成した。グロンコウスキーから2馬身3/4差の3着に米国5歳馬のガンナヴェラ。4着に昨年のG1チャンピオンズカップでしんがり負けしたパヴェル、さらに短頭差の5着にオーディブルが入線。勝ちタイムの2387は、昨年のサンダースノーのレコード(2138)より2秒以上遅くなった。サンダースノー陣営は早くも3連覇を目標に掲げて、今年は再び米国のG1ブリーダーズカップクラシック(サンタアニタ競馬場、ダート2000m)への挑戦を明らかにしている。欧州から米国に移って、このレースではUAE籍で出走したグロンコウスキーの劇的な脚質転換は、O.マーフィー騎手の判断によるもの。今後、どのようなローテーションを進むかにも興味が集まる。

(サラブレッドインフォメーションシステム 奥野 庸介)