マカヒキは弱い!?現地メディアから厳しい質問

2016年09月28日 09:03

 マカヒキの最終追い切り終了後に地元メディアも交えての共同記者会見が行われた。日本のメディアはマカヒキを知り尽くしていることもあり、追い切りの感想や、馬の様子などの質問がほとんど。しかし、地元の記者勢からは挑発に近い厳しい質問や凱旋門賞と全く関係のない日本の競馬事情の質問も飛び出し、会見に応じた友道調教師、ルメール騎手が苦笑いで答える場面も多々あった。そこで、日本ではあまり見ることのない海外のマスコミのヤリ取りをいくつか紹介していきたい。(以下、Qが質問、Aがそれぞれの回答)

Q.20年ぐらい日本から凱旋門賞への挑戦が続いていますが、今年こそは勝つのでしょうか?

A.(ルメール騎手):私は預言者ではないので預言はできませんが、今年はとても良い馬での挑戦だと思います。この馬はとても性格が良く、使いやすいことがセールスポイント。確かにマカヒキは今回出走する他の馬たちとレースをしていませんが、それでも今年はチャンスが十分にあると思います。

Q.日本では馬よりもジョッキーの方が有名なのではという感じがしますが、いかがでしょうか?

A.(ルメール騎手):日本では馬も騎手も両方とも有名だと思います。馬についてだと、例えば北海道の生産牧場の方へツアーを組んで種牡馬を見学することさえあります。それほど日本では馬が有名だということです。しかし、実際のレースになってみると前面に出てくるのはジョッキーということになります。有難いことに日本では競馬の大きいレースが非常に有名で、その有名なレースに出るジョッキーということで私も恩恵に与っています。

Q.今回、今までに走ったことのない未経験の世界に入ると思いますが、その辺りはいかがでしょうか?

A.(友道調教師):フランスに来てから一か月以上が経ちますが、日本にいるときと雰囲気は全く変わりません。前回のニエル賞でシャンティイの競馬場を経験していますので、本番も対応できると思います。

Q.今日の追い切りを見ていましたが、それほど強いという印象を受けませんでした。わざとその様に見せる追い切りを行ったのですか?

A.(ルメール騎手):.ニエル賞の時よりは良くなっています。この馬は内に秘めたモノを外に出すタイプではありません。今日はニエル賞の追い切りより少し強く追ってみましたが十分に応えたと思います。ただし、ミニマムの応え方です。私の方では脚の状態や馬の呼吸などを見ていますから、まだまだポテンシャルを秘めていると思います。今回はミニマムな反応しかしていませんが十分な内容でした。

A.(友道調教師):この馬は日本では1、2週前に強い追い切りをやるので、競馬の週はそれほど強いところをやりません。今回はニエル賞があって、しっかりと負荷をかけられましたから、日本での調整と同じようにソフトに乗ってもらいました。

Q.今回のマカヒキの追い切りを見ていると、加速がゆっくりだと思いますが、これは元々こういう馬なのですか? それとも本戦を前に何か隠しているのですか?

A.(ルメール騎手):みなさん、この馬は加速が遅い馬だと思っているようですが、私は柔らかい馬だと思います。ニエル賞の時も「あそこに出ていた馬はあまり強くない」とみなさんは仰いますが、十分に強い馬たちだったと思います。その馬たちに先行されて、それを3馬身ほど追い掛けて差し切る最高速を持っています。それから日本ダービーではサトノダイヤモンドと並んで、それを振り切ったのだから間違いなく素晴らしいスピードがあります。

Q.今まで日本からその都度、最強と言われる馬たちが来てロンシャンで戦ってきました。ディープインパクト、オルフェ―ヴルがそうですが結果は出せていません。今回も強い馬での挑戦のようですが、その辺りは如何お考えでしょうか?

A.(友道調教師):やはり、一番の問題はフランスへの輸送だと思いますが、凱旋門賞に来ようと思ったきっかけはマカヒキの精神力の高さです。いつも変わらない落ち着いた精神の持ち主だということで、凱旋門賞に来ることを決断しました。そういう意味でこちらに来ても日本と変わらない状態でいるので、今までの日本馬も力を出してきたと思いますが、それ以上にマカヒキは力を出せると思います。

広大なエーグル調教場をバックに2人で記念撮影。