香港リーディング争いに異変 モレイラ騎手「ザックに抜かれるだろう」

2018年05月31日 13:50

 7月中旬の開催最終日に向け、2017/18シーズンの佳境を迎えた香港競馬界に異変が生じようとしている。2014/15シーズンから3季連続でリーディングを獲得してきたJ.モレイラ騎手の地位が揺らいでいるのだ。

 香港ジョッキークラブの公式サイトでは、111勝で首位に立つモレイラ騎手と2勝差で追うZ.パートン騎手(いずれも現地29日時点)の最多勝争いについて、両雄のコメントを交えながら伝えている。

 香港競馬の日程は30日のシャティン開催を含め残り13日あるが、モレイラ騎手はリードしているにもかかわらず「勝負にならないよ、ザック(パートン騎手)に抜かれるだろうね」と白旗ムード。これに対してパートン騎手は「ジョアンはまだ先頭だし、周りが本末転倒なだけさ」と努めて冷静だ。

 パートン騎手は2013/14シーズンに香港リーディングを獲得し、それまで13季続いたD.ホワイト騎手時代に終止符を打った実績がある。その後はモレイラ騎手の後塵を拝しているが、ここに来て潮目が変わろうとしている。

 モレイラ騎手は「シーズン序盤に騎乗馬の選択を誤り、中盤まで続けてしまった。それによって一部の調教師の不興を買ってしまった。誤った選択をしたがために、かつてのようなサポートを受けられなくなってしまった。僕のミステイクさ。彼らを満足させ続けられなかったんだから」と現状を招いた責任は自身にあると認める。

 モレイラ騎手には6月6日と10日に2日間の騎乗停止処分も待ち受ける。また、今季ここまでの勝率は19.7%のモレイラ騎手に対して20.8%とパートン騎手が優勢だ。「ボクには騎乗停止があるし、99%の調教師が彼のサポートに積極的なんだ」とモレイラ騎手から前向きな言葉は聞かれない。

 追いかけるパートン騎手は「ここ3年はほとんどチャンスがなかったね。ジョアン(モレイラ騎手)には多くのサポートがあって、近づくことさえ不可能だった。今季は風向きが変わってきたかな。15勝差より2勝差の方がマシさ」とリーディング奪還へ意欲も。

「ジョアンはあきらめないし、ボクも最大限に努力するだけ。彼には変わらずサポートがあるから先頭にいるのだしね。(モレイラ騎手を起用する)J.サイズ調教師にはまだ持ち駒があるから、ボクが追い掛けるのは容易ではない。だから彼の方が有利だよ」と一歩引いたスタンスだが、両雄の争いから最後まで目を離せそうにない。