ビートザバンク、事故死した元オーナーの思いを背負って香港G1へ

2018年11月29日 15:15

 今年の香港国際競走に出走する馬のうち、香港マイルにエントリーしているビートザバンクが勝利を収めたならば、これほどエモーショナルなことはないかもしれない。

 ビートザバンクは英サッカーのプレミアリーグ、レスターのオーナーとしても知られ、10月にヘリコプターの墜落事故で死去したタイ人のウィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏が所有していた馬。サッカーだけでなく競馬にも造詣の深かったウィチャイ氏は、同馬をイギリスのA.ボールディング厩舎に預けていた。

 すでにG2を通算3勝している4歳馬のビートザバンクだが、G1勝利にはいまだ手が届かず。オーナーの生前では最後のレースとなった10月の英G1クイーンエリザベス2世ステークスも11着に終わった。

「いつかは香港でビートザバンクを走らせようと話し合っていた」というボールディング調教師は「ウィチャイ氏はこのプランに熱を上げていた。彼の遺志を継ぎ香港までビートザバンクを連れて行くことは、私たちにとって非常に大切なことなんだ」と語っている。