移籍で復活のヒーズエミネント、香港のクイーンエリザベス2世C参戦も

2019年04月10日 12:26

 豪G1ランヴェットステークスで復活の狼煙を上げたヒーズエミネント(英国名エミネント)が、香港のG1クイーンエリザベス2世カップとロイヤルアスコット遠征を視野に入れていることが明らかになった。ニュージーランドの競馬メディア『RACING NEWS』が現地9日付けで報じている。

 3週前のランヴェットSで長期間の休眠状態から活動再開したヒーズエミネント。関係者は土曜日のランドウィック競馬場(13日=G1クイーンエリザベスステークス)で、その再現に期待を寄せている。

 フランケル産駒の5歳牡馬は豪州デビューでアヴィリオスの2着になったが、クイーンエリザベスSで世界最強のウィンクスと対戦する今週末には、ベストの状態にあることが求められる。

 ヒーズエミネントは昨年8月からレースをしておらず、M.トッド調教師は「7か月余りトラックに出ていなかったのだし、本当に上手くやり遂げたのではないかな。インフルエンザによる移動制限や雪など、英国であらゆることが起きて隔離状態だったし、実際にほぼ6週は運動をしてなかったのだからね」と、数々の障害を乗り越えた初戦の走りを喜んでいる。

 オリンピックで金メダルを2つ獲得したことがあり、馬術家として名を馳せるトッド師は、自らも手綱を取ってヒーズエミネントの調教をつけてきた。「ドレサージュや障害飛越などを軽くやったんだ。強い調教は課していないけど、良さそうな感じだよ。ランヴェットSからシャープになっているし、良化していると思う」と、好状態で土曜日の挑戦に送り出せると確信している。

 トッド師はウィンクスに対して小細工はせず、J.マクドナルド騎手の判断に任せてヒーズエミネントのレースをさせる考えという。そして、クイーンエリザベスSでのパフォーマンスにより、自身とヒーズエミネントの今後を探りたい意向だ。

「もし、土曜日に凄くいい走りをしたら、2週後の香港(クイーンエリザベス2世C)に連れていくかもしれない。ヒーズエミネントについては1戦ずつだよ。本当に香港へ行くことになれば、その後に彼をヨーロッパへ連れ帰り、G1プリンスオブウェールズステークスを目指すこともある。さらに先の事は私にも分からない」と話している。