有馬記念が呼び込んだ幸運? レーン一家に訪れた奇跡の35分間

2019年12月25日 11:05

 豪競馬メディアの『racing.com』は現地23日、有馬記念の当日に訪れた忘れ得ぬ35分間について、ダミアン・レーン騎手の父で調教師をしているマイケル・レーン師のコメントを交えてレポートしている。

 マイケル師はオーストラリア東部夏時間の17時30分、リスグラシューとのコンビで有馬記念を制した息子の姿を西オーストラリア州のバンバリー競馬場で見届けた。するとその5分後にはマイケル師の牝馬ウィーヴガットドリームスが1100mのレースを勝ち、さらには18時5分にもウエスタンチャントが1400mの未勝利戦を連勝した。

「ジョッキーを馬に担ぎ上げてからジョッキールームへ行って、ともに育ったパースの騎手や調教師たちとダミアンのレースを観戦したんだ」と一部始終を振り返るマイケル師。「ジョッキールームで高揚してしまい、自分の(馬の)レースはハッキリと覚えてないんだ」「リスグラシューは勝てるのではないかと思っていたけど、ダミアンのパフォーマンスに頭がいっぱいでね。彼女のレースの記憶がなくて、帰宅してからリプレーを見なければならなかったんだ」と、直後のウィーヴガットドリームスまで気が回らなかった様子を打ち明けている。

 有馬記念後から自身の管理馬が連勝したことにより、行く先々で祝福を受けることになったマイケル師は「父(ダミアン騎手の祖父)も競馬場にいたし格別だったよ。競馬場にいた家族やたくさんの友人たちとビールで乾杯できたしね」と感慨無量。ダミアン騎手とはレース後も翌日も様々なメールのやり取りをしたという。

 また、マイケル師は「彼を乗せるため関係各所に働きかけて山を動かす必要があったが、懸命な取り組みが実を結んだ。ダミアンは生涯恩に着るだろう」とチーム矢作の尽力にも言及。レース後のインタビューで感極まった様子の息子について「機会をもらえたことに感謝の気持ちでいっぱいだったのだと思う」と、その胸中を代弁している。