11秒台連発で完封!C・デムが生かしたディープボンドの持久力/フォワ賞

2021年09月13日 19:22

<フォワ賞>◇12日=パリロンシャン(フランス)◇G2◇芝2400メートル◇4歳上◇出走6頭

 12日にパリロンシャンで行われた凱旋門賞の前哨戦3競走を時計面で比較すると、最も勝ちタイムが速かったのはディープボンド(牡4、大久保)が勝ったフォワ賞の2分31秒82だった。次がヴェルメイユ賞の2分31秒99。最も遅かったのがニエル賞の2分34秒63だ。

 日本のように上がり3ハロンの数字で比較すると、フォワ賞は最速上がりのイレジン(3着)が33秒47をマーク。2着ブルームが33秒78。勝ったディープボンドも33秒85という優秀な数字でまとめている。ヴェルメイユ賞で最速だった2着スノーフォール(牝3、A・オブライエン、父ディープインパクト)は34秒16にとどまり、ニエル賞で最後方から差し切ったバブルギフトも33秒96だった。

 フォワ賞のラップをあらためて見直すと、ディープボンドは残り4ハロンから11秒67、11秒26、11秒03、11秒55とゴールまで11秒台を連発。好スタートからハナを奪い、自分のリズムで運びながら、これだけの上がりを記録されては後続もなすすべがなかった。

 「騎乗依頼をもらえて、うれしく思います。ディープボンドの過去のレース映像も見ていますし、スタミナが豊富な馬という印象があります。彼のスタミナを生かす展開になればチャンスがあると思っています。ベストを尽くしたいですね」。コンビを組むことが決まったとき、クリスチャン・デムーロ騎手(29)はそう意気込みを語っていたが、フォワ賞はディープボンドの持久力を生かした見事な完封劇だった。

 本番の凱旋門賞はエイジアローワンス(年齢による負担重量差)が鍵になる。フォワ賞のディープボンドは58キロの負担重量だったが、凱旋門賞で古馬牡馬は59・5キロを背負わなければいけない(古馬牝馬は58キロ)。この日、ヴェルメイユ賞で55・5キロだったスノーフォールは3歳牝馬で55キロ。ニエル賞で58キロだったバブルギフトは56・5キロになる。

 昨年の凱旋門賞で4歳牡馬ソットサスを勝利に導いているクリスチャン・デムーロ騎手の手腕は頼もしい限り。本番もディープボンドのスタミナを生かした快走を期待したい。

出典:日刊スポーツ