ティオーナのヴェリアン師、凱旋門賞に前向きも決断はギリギリまで保留
2021年09月15日 11:45
12日の仏G1ヴェルメイユ賞でディープインパクト産駒の大本命スノーフォールを破る金星を挙げたティオーナの次走について、同馬を管理するR.ヴェリアン調教師は凱旋門賞に強い関心を示しながらも態度を保留している。
シーズン当初のティオーナはニューマーケットで弾けるような調教を披露するなどクラシック戦線の有力馬と見られていた。5月のミュージドラステークスではスノーフォールの3着ながら見せ場を作ったものの、翌月の英オークスでは同じスノーフォールに大敗を喫した。
それでも、ヴェリアン師はティオーナに対する信頼を決して失わなかった。ひと息入れてウィンザー競馬場のリステッドを勝つと、同馬はスノーフォールとの形勢を逆転するG1勝ちを収めて一人前となった。
パリから帰厩したティオーナの状態も順調というヴェリアン師は「我々は彼女への期待を隠すことなどしてこなかった。彼女が今まさに出世の過程にあると願っている」とコメント。「ヨーク(ミュージドラS)ではゲートで立ち上がった上に直線4ハロンのスプリント勝負になってしまった。実際のところ、あの日の彼女は前の馬たちを捕らえていって凄くいい走りだった。スノーフォールに詰め寄ったことも分かるはずさ」「エプソム(英オークス)は馬場が重かったし、彼女はあの手の馬場をこなせる馬だとは思わない」と、それぞれに正当な敗因があったと主張する。
ティオーナにとって凱旋門賞は明白なターゲットとなるが、同日の異なる距離のG1レースや、英チャンピオンズフィリーズ&メアズステークスなど、別の選択肢もある。
ヴェリアン師は馬主にまだ相談していないと断りつつも「向こう2週間半ほど彼女の状態が良ければ凱旋門賞を考えるものさ。馬場の状態も(荒れずに)保てる感じだし」「不良馬場の凱旋門賞は歓迎しない。彼女に合うとは思わないからね。でも、天気予報や馬場状態が我々の希望に沿い、彼女のコンディションが十分なら(凱旋門賞の参戦を)真剣に検討するよ」と前向きな考え。
その上で「現時点であらゆる選択肢があり、その必要もないから何も決めてはいない。彼女は(ほとんどの)ビッグレースにエントリー済みだから追加登録の必要もないしね。それはつまり、決断を引っ張れるということさ」とヴェリアン師は語っている。