【ケンタッキーダービー】ルメール日本移籍で叶った「最も偉大な2分間」クラウンプライドと挑戦

2022年05月05日 10:54

「スポーツ界で最も偉大な2分間」に、クリストフ・ルメール騎手(42)が初挑戦する。日本でも馬券が発売されるケンタッキーダービー(G1、ダート2000メートル、7日=米チャーチルダウンズ)で、UAEダービー馬クラウンプライド(牡、新谷)に騎乗。日米を含む世界7カ国でG1を制した名手も、米国競馬の祭典に胸を高鳴らせている。

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 ステッキ1本を手に世界中を飛び回ってきた名手も興奮を隠せない。渡米を前に、ルメールは大きな両目を見開いて思いを語った。

「エキサイトしてる。楽しみ。アメリカのアイコニック(象徴的な)レースで、スーパーボウルみたいな国のビッグイベント。NBAやMLBの選手も、ムービースターも見に来る。雰囲気とか、めちゃすごい。あのリリック(歌詞)を知らないから勉強しないと」

 覚えるべき曲は、フライドチキンのCMでも有名な「マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム」だ。本馬場入場の際に大観衆が声をそろえて歌うシーンは壮観。2度騎乗の武豊騎手をはじめ、名だたるホースマンをも魅了してきた。フランス出身の名手も、19年Vのプラ、昨年勝利のジェルーら米国で腕を振るう同胞から「最も偉大な2分間」と称される大一番のすばらしさを何度も聞かされてきたという。

「ヨーロッパの馬は行かないから、ヨーロッパの騎手が乗るのは無理。チャンスがない。日本馬で行けることはすごくうれしい。もちろん勝つのは難しいけど、クラウンプライドは(前走で)強かった。アメリカに合いそう。能力もある」

 7年前に日本移籍を敢行したからこそ、かなった挑戦だ。テン乗りとなるUAEダービー馬の鞍上に指名されたのは、異国で積み重ねてきた実績のたまものだろう。幾多の栄冠を手にした男が「ビッグチャレンジ」と意気込む祭典。参加するだけで帰ってくるつもりはない。【太田尚樹】

▼クラウンプライドは現地3日、チャーチルダウンズ競馬場のダートコースでキャンター1周の調整を行った。新谷師は「今朝の調教はとてもいい動きでした。ドバイの時よりも良くなっています。今日は不良馬場でしたが、こちらの馬場はクラウンプライドに合いそうです」と好調を感じ取っていた。翌4日は、ルメール騎手がコンタクトを取る予定。

出典:日刊スポーツ