雨に泣いたバーイード、引退戦の英チャンピオンSで不敗神話が潰える
2022年10月16日 10:20
デビューからG1レース6連勝を含む10連勝のキャリアを築いてきたバーイードが、現地15日のG1英チャンピオンステークス(アスコット競馬場、3歳以上、芝10ハロン)で引退レースに臨み、最初で最後の黒星を喫するまさかの結末を迎えた。
単勝1.2倍の圧倒的人気を集めたバーイードは、9頭立ての最内枠から一完歩目で遅れる格好になり、2番人気アダイヤーを外に見ながら6、7番手を追走。最終コーナーでアダイヤーが一気に先頭をうかがうとすかさず応戦し、背後について直線に入った。
しかし、突き放しにかかるアダイヤーに対し、バーイードはJ.クローリー騎手のステッキを受けるも今までのように反応できない。その差をほとんど詰められないまま、内で粘る4番人気マイプロスペロにも残り1ハロンから突き放されて万事休した。
2番手追走の3番人気ベイブリッジが早め進出のアダイヤーを1/2馬身抑えて1着。さらにハナ差でマイプロスペロが3着に続き、バーイードはベイブリッジから2馬身近く後れて4着に終わった。
有終の美を飾ることができなかったバーイードのクローリー騎手はレース後に「馬場だね、シンプルにそれさ」「直線に入っていつもの彼なら反応する、通常の稍重(Good to Soft)ならそうできる所で、そうはならなかった。天気が悪かったよ」と馬場が発表以上に重くなっていたことを敗因に挙げた。
また、W.ハガス調教師は「がっかりだが彼が偉大な馬であることに変わりはない」「彼は素晴らしい馬だったし、それを今日は見せられなかったが価値が下がるものでもない。本当によくやったよ」と労うとともに、エクリプスステークスでの完敗から巻き返したベイブリッジ陣営を祝福している。
なお、ベイブリッジは今回がG1初制覇で、5馬身差で圧勝した5月のG3ブリガディアジェラードステークス以来の重賞2勝目。その次戦では日本からシャフリヤールが遠征したG1プリンスオブウェールズステークスで1番人気に推されるも2着に敗れ、続くエクリプスSも1番人気で5着に完敗していた。オーナーサイドはこの一戦で今季は終了との意向を示している。
2着のアダイヤー陣営はブリーダーズカップターフに参戦する可能性を示唆した。