シルバーCで惜敗のスクリプトライター陣営、メルボルンC遠征に前のめり
2023年07月19日 11:20
英G3シルバーカップでアタマ差の2着に惜敗したスクリプトライターのオーナー陣営が、豪G1メルボルンカップ遠征を計画。馬の購買から綿密な計算に基づいて動き始めたことを豪競馬メディア『racing.com』が報じている。
スクリプトライターはかつてA.オブライエン調教師に管理され、現在はM.ハリス調教師の管理に移っている。キャリアのほとんどを障害レースで過ごしてきたが、ロイヤルアスコット開催の直前に豪州の有力馬主であるR.ピーグム氏が率いるシンジケートに購買された。
スクリプトライターをビジネスパートナーの50歳の誕生日のために買ったというピーグム氏は「成長の余地が十分にあると思ってすぐに買ったんだ」「平地でほとんど走ったことがない。血統もいいし、クールモアが当歳セールで25万ほど出した思う」「我々はイボア(ハンデキャップ)を勝って、メルボルンCや(豪州の)たくさんある(好条件の)レースに挑戦するために彼を買ったのさ」と狙いを率直に明かした。『racing.com』の記事にはスクリプトライターが約24万ユーロでクールモアに落札された当時のセリ映像が引用されている。
そして、スクリプトライターはシルバーCで熱戦を演じ、メルボルンCを狙うというアイデアに疑いの目を向ける人々を黙らせた。「我を忘れたよ」「凄く興奮した。彼は成長し続けている」「重馬場も実に上手くこなした」「彼は片手で数えるほどしか平地で走ってないから経験不足なんだ。成長の余地が大きいという点で重要なことだし、彼はオーストラリアへ連れていきたい類の馬ということなのさ」と、ピーグム氏は目論見通りの成り行きに喜びを隠さない。
今後は再びヨーク競馬場に戻ってイボアハンデキャップが目標になるが、そのレースといえばかつては11月の第1火曜日(メルボルンC)への足掛かりとされ、今では豪州国外で唯一、メルボルンCの優先出走権が設定されたレースになっている。
スクリプトライターは障害時代に3300mと3400mで勝っているため、ピーグム氏は「距離は問題にならない」「彼は本当にメルボルンCに適している」「メルボルンCを勝てる馬などそうそういない。距離をこなせないとならないが、彼は証明済みだ」と意気軒高。現地では高額賞金を狙い、メルボルンCと前後してシドニーカップなど複数のレースを狙う予定でいるが、驚いたことに、すでにスクリプトライターには多くの豪州調教師から問い合わせが寄せられているという。