グレゴリーが英セントレジャー前にグッドウッドCへ、同馬主のクラージュモナミは回避

2023年07月19日 12:30

 ロイヤルアスコット開催のG1ゴールドカップを快勝して長距離戦線で名を上げたクラージュモナミのオーナー陣営がG1グッドウッドカップを回避させ、代わりにG2クイーンズヴァーズを逃げ切った3歳馬のグレゴリーを回す可能性が浮上している。

 クラージュモナミはフランケル産駒の4歳セン馬でゴールドCまで4戦全勝、一方のグレゴリーはゴールデンホーン産駒の牡馬でデビュー3連勝中と両馬ともに無敗。カタールを拠点とするワスナンレーシングが所有してJ&T.ゴスデン調教師が管理、前走はL.デットーリ騎手を鞍上に迎えて勝利している。

 オーナーのレーシングアドバイザーを務めるR.ブラウン氏は、先週に見たという両馬の様子が絶好だったと話すとともに「グレゴリーは年齢とともに良化していく大きな馬だし、今年は使い過ぎないようにしたい。あと1回か2回といったところかな。狙っているのは英セントレジャーだけど、グッドウッドCを使ってからいくこともあるかもしれない。3歳馬のアローワンスは大きいからね」「現時点では両馬をグッドウッドCに向けて調教しているけど、使うのは1頭だけだ」と明言。

 クラージュモナミはゴールドCで2着に退けたコルトレーンとグッドウッドCの1番人気を争う関係だが、ブラウン氏は対戦を避けることによってクラージュモナミの長距離戦線における優位性を保ちたい考えがあるという。

「クラージュモナミは4歳馬だし、長距離部門のトップに立ったこの手の馬たちがアスコットに戻り、勝てることを過去に見てきた。だから、彼のメインの狙いは来年のゴールドCなんだ」「今年はもう2回使うつもりで、最終的なターゲットはアスコット(ブリティッシュロングディスタンスカップ=10月21日)かカドラン賞(9月30日)になる。それまでにロンズデールカップ(8月29日)かドンカスターカップ(9月15日)を挟む。グッドウッドCに使わないならね」というブラウン氏の意中は、グレゴリーをグッドウッドCに使う方に傾いている。

 ブラウン氏はゴスデン師たちの考えを参考にすると話す一方で「我々は最後まで彼らに別の道を行かせたい。現時点でワスナンは9頭しか持っていないし、彼らを同じG1レースに使いたいとは思わないんだ」と、クラージュモナミとグレゴリーを引退まで使い分ける方針であることを明かしている。