英アスコット競馬場で現地21日に行われたG1クイーンエリザベス2世ステークス（3歳以上、芝8ハロン）は、仏ダービー2着馬のビッグロック（3番人気タイ）が積極果敢に逃げを打ち、2着の6番人気ファクトゥールシュヴァルに6馬身差をつけて圧勝した。

　ビッグロックは発馬良く数完歩で先頭に立つと後続の出方に構わずピッチを上げ、半マイル付近で5馬身から6馬身のリードを築く。2番手の英2000ギニー馬シャルディーン（5番人気）以下は10頭が一団となり、その背後を1番人気パディントンと2番人気タヒーラが固めるように追い掛けた。

　残り3ハロンを迎えた辺りでシャルディーンが失速しはじめ、パディントンの手応えも劣勢。タヒーラが2番手に上がってビッグロックを追撃するも差は詰まらず、ビッグロックも最後は一杯になったものの、リードにものを言わせて逃げ切った。

　パディントンの背後から馬群の外に回り込んで伸びたファクトゥールシュヴァルがゴール前でタヒーラを捕らえ（クビ差）、パディントンはR.ムーア騎手が追うのをやめて9着に大敗。ビッグロックと並び3番人気のナシュワはパディントンの直後から伸び切れず6着に終わった。

　C.ヘッド調教師が管理するロックオブジブラルタル産駒のビッグロックは5月のG3ギシュ賞以来となる3度目の重賞制覇。その次戦から仏ダービー、ジャックルマロワ賞、ムーランドロンシャン賞とG1レース3連戦でいずれも2着に敗れ、これが待望のG1初制覇となった。

　英競馬メディア『attheraces.com』などによると、ヘッド師は「途方もなかったね！ ビッグロックはいつもこうなのさ、クレイジーだよ。なんて馬なんだ、なんてシーズンなんだ。彼はこの手の馬場を上手に走るけど本当に強かったね、なんて馬なんだ」と喜びを爆発させている。

　なお、タヒーラのD.ウェルド調教師は現役続行も含めてレース後の様子を確認してから決めるとし、パディントンのA.オブライエン調教師は米ブリーダーズカップに遠征するかはオーナー次第という旨のコメントを残している。