ヴェリアン師にまたも打撃、オバイド殿下が預託馬を引き揚げ

2024年08月21日 12:55

 ドバイのモハメド殿下の従兄弟で有力馬主でもあるオバイド殿下が、R.ヴェリアン調教師への預託を打ち切って所有馬を移籍させた。英競馬メディア『racingpost.com』などが報じている。ヴェリアン師は5月にアモレーシングからも関係を解消されており、厩舎にとって2番目に多い頭数の依頼主だったオバイド殿下の撤退はさらなる痛手となった。

 ヴェリアン師とオバイド殿下の関係は9年に及ぶが、オバイド殿下による突然の預託馬引き上げは過去にもあった。2015年にはL.クマーニ厩舎から預託馬を引き揚げ、それらをヴェリアン師が引き継いだほか、近年はS&E.クリスフォード調教師やA.ボールディング調教師も同様に関係を解消されている。

 ヴェリアン師とオバイド殿下の関係では、2015年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスや翌年のドバイシーマクラシックなどを勝ったポストポンドを筆頭に、アジュマンプリンセス(2017年ジャンロマネ賞)、デフォー(2019年コロネーションカップ)らのG1実績がある。

 ヴェリアン師は「10頭の現役馬が私の下から離れていった」とオバイド殿下からのサポートが打ち切られたことを認めるとともに「9年にわたりオバイド殿下より与えられた機会に心より感謝したい」「世界中の競馬を情熱的にサポートしているオバイド殿下と彼の馬たちの今後の活躍を祈る」と謝意を表した。

 今年は相次いで有力馬主を失う形となったヴェリアン師だが、チャリンでクイーンアンステークスとジャックルマロワ賞、エルマルカで英1000ギニーとG1レースも3勝している。「ここ、カールブルグのチームと私自身にとって、自分たちの成功しているシーズンに全力を注ぎ続けることが重要であると付け加えておく」「すべてのオーナーに非常に感謝しており、今後数カ月、数年にわたる継続的なサポートに報いていきたい」と続けた。

 なお、オバイド殿下がヴェリアン師に預託していた馬の多くは、K.バーク調教師やG.バウヒー調教師の管理に移ると報じられている。