タムファナが英G1サンチャリオットSを完勝、インスパイラルは2着で現役生活に別れ

2024年10月06日 10:47

 英G1サンチャリオットステークス(3歳以上牝馬、芝8ハロン)が現地5日にニューマーケット競馬場で行われ、1番人気のタムファナが2番手追走から満を持しての仕掛けで抜け出すと、追いすがる3番人気インスパイラルに2馬身差をつけて完勝した。

 レースは6頭が3頭ずつの2列並走で進み、タムファナは逃げ馬に離れず2番手を追走。残り3ハロン付近から各馬の鞍上が腕を動かしはじめてもタムファナは持ったままの手応えで先頭をうかがい、2ハロン標識を通過してからのスパートで余力十分に押し切った。

 これが引退レースのインスパイラルは課題のゲートで1馬身から2馬身遅れ、序盤の最後方から一時は勝ち馬に1馬身まで迫るも突き放されて2着まで。勝ち馬の背後を追走した2番人気シーザファイアが、5番人気エルマルカの追い上げをしのいで3着に続いた。

 タムファナはD.ムニュイジエ調教師が管理するソルジャーホロウ(父インザウィングス)産駒の3歳馬でG1初制覇(重賞3勝目)。G1では今回と同舞台の英1000ギニーでエルマルカの4着、10.5ハロンの仏オークス(3着)、12ハロンのパリ大賞(4着)と及ばなかったが、8ハロンに短縮した前走のG3アタランタステークスを完勝してきっかけをつかんでいた。

 ムニュイジエ調教師は英競馬メディア『racingtv.com』のインタビューに対し、状態に問題がなければ2週後のクイーンエリザベス2世ステークスに向かう可能性を示唆している。

 また、インスパイラルのJ.ゴスデン調教師は「昨年の彼女はここの速い馬場で勝ったし、ブリーダーズカップ(フィリー&メアターフ)も速い馬場だったが、今年は全く彼女の好みではなかった」と稍重の馬場状態に敗因を求める一方で「非常にスマートだった」と勝者に脱帽。「2歳チャンピオンになり、3歳では欧州のチャンピオン、4歳でアメリカのチャンピオンになった」とインスパイラルのキャリアを称えた。