【フランス便り】凱旋門賞ラップで馬場検証 重でも「日本なら不良中の不良」2400m2分31秒台

2024年10月08日 13:05

 フランスギャロから凱旋門賞のラップタイムが発表された。

 まずは上位3頭と日本勢の上がり3ハロンを紹介する。

1着ブルーストッキング(2分31秒58)11秒50-11秒44-12秒11=35秒05
2着アヴァンチュール(2分31秒77)11秒56-11秒35-12秒05=34秒98
3着ロスアンゼルス(2分31秒99)11秒69-11秒35-12秒28=35秒58
11着アルリファー(2分33秒29)11秒61-11秒78-12秒76=36秒16
12着シンエンペラー(2分33秒48)11秒74-11秒90-12秒90=36秒55

 ちなみに1000メートル通過は65秒97というペースだった。

 ラスト4~3ハロンのレースラップは12秒29だったので、残り600メートルからペースアップしたことが見てとれる。シンエンペラーの坂井騎手も、アルリファーの武豊騎手も、ともに「直線へ向く時についていけなくなった」と振り返っており、ここが勝敗の分かれ目だった。

 それにしても、やはり2400メートルの勝ちタイム2分31秒58という数字が目を引く。

 当日の馬場(午前10時発表)は10段階で下から5番目の「スープル」(英語でソフト)とされ、重馬場だった。極端な道悪だったわけではないが、矢作師は「日本でいうなら不良中の不良」と指摘していた。

 今年の日本代表シンエンペラーについては、馬場を敗因には挙げていない。抜群の動きを見せた1週前追い切りが行われたエーグル調教場の芝は、レース当日のパリロンシャン競馬場よりはるかにぬかるんでいたという。トレーナーも「馬場を言い訳にするつもりはない」としている。

 いずれにせよ、当日の芝が日本ではありえないほどの馬場だったのは間違いない。アーモンドアイやイクイノックスをはじめ、日本で驚異的なレコードをたたき出した名馬がパリへ向かわなかったのもうなずける。やはり絶対能力よりも適性を重視して遠征すべきなのかもしれない。【太田尚樹】

出典:日刊スポーツ