​仏1000ギニーは1位入線馬が降着の波乱、良血馬ザリガナが繰り上がり勝利

2025年05月12日 13:40

 現地11日、仏パリロンシャン競馬場でG1仏1000ギニー(3歳牝馬、芝1600m)が行われ、1位入線馬の降着によってザリガナが繰り上がり勝利を収める波乱の決着となった。

 レースはシーズパーフェクトがハナを切り、ザリガナは中段やや後方という展開。残り400メートル付近でザリガナが外からスパートして一気に前へ迫り、最後はシーズパーフェクトと馬体を並べてゴールした。

 この競り合いはハナ差でシーズパーフェクト先着となったが、ザリガナのM.バルザローナ騎手が異議申し立て。審議の結果、シーズパーフェクトが直線で外にヨレた際にイグザクトリー(4着)の進路を妨害し、そのイグザクトリーが連鎖的にさらに外のザリガナに影響を与えたとして、K.シューマーク騎乗で1位入線のシーズパーフェクトは2着に降着、2位入線のザリガナが繰り上がり優勝となった。

 シユーニ産駒のザリガナは、母は2018年のヴェルメイユ賞で3着のザルカミヤ、祖母は凱旋門賞馬ザルカヴァという良血馬。2歳時に仏G3オマール賞を制し、前走の仏G3グロット賞ではシーズパーフェクトに競り勝っていた。

 競馬メディア『Thoroughbred Daily News』によると、思わぬ形でクラシック制覇となったF.グラファール調教師は「(審議の)数分間はタフだったし、こんな勝ち方はしたくない」とコメント。「シーズパーフェクトの関係者には申し訳ないが、これも競馬。私も過去に同じ経験をしている」と語った。

 一方、シーズパーフェクトのC.フェローズ調教師は「接触は最小限で、(ゴールまでの)距離も長かったと思うので(降着は)とても驚いた。英国なら判定は覆らなかっただろう」と語り、関係者と協議のうえで異議申し立てする可能性を示唆している。

 J&T.ゴスデン厩舎の優先起用を解除されたばかりのシューマーク騎手にとっては、1番人気のフィールドオブゴールドで2着に敗れた英2000ギニーに続く痛恨の失態。英競馬メディア『racingpost.com』によると「彼女は今後が本当に楽しみな馬。勝てなかったことは関係者に申し訳なく思う」と謝罪し、「今日は乗り越えられる。アスコットでまた彼女と会えるだろう」と次戦を見据えていた。