伝説の騎手が引退!“女性初の英グランドナショナル制覇”レイチェル・ブラックモアが引退を発表
2025年05月14日 13:25
女性初の英グランドナショナル勝利、「チェルトナム・フェスティバル」リーディング獲得など伝説的な偉業を成し遂げたアイルランドのレイチェル・ブラックモア騎手(35)が現役引退を発表した。
12日に自身のX(旧ツイッター)に声明文を投稿。「私の騎手としての日々は終わりを迎えました。そのときが来ました。悲しいけれど、私が過ごした16年間に心から感謝しています。愛馬に恵まれ、夢にも思わなかった成功を経験できたことは本当に幸運でした」とつづっている。
英愛の障害競走の最高峰であるチェルトナムゴールドカップ、チャンピオンハードルなど、「チェルトナム・フェスティバル」で18勝。21年には女性騎手初の「チェルトナム・フェスティバル」リーディングジョッキー(6勝)に輝き、同年4月にはミネラタイムズとのコンビで女性騎手として史上初の英グランドナショナル制覇を果たした。
ブラックモア騎手は1989年7月11日、アイルランドのティペラリー州生まれ。農業を営む父と学校教師の母のもとに生まれ、子どもの頃にポニーを与えられて育ち、リムリック大学の馬科学科で学んだ。アマチュア騎手として11年に初勝利を挙げ、15年にプロへ転向。「みなさんには感謝してもしきれません。全員の名前を挙げることはできません。まず最初は両親に感謝します。最高の子ども時代と抱えることのできないポニーを与えてくれました」と、騎手を目指すきっかけを与えてくれた両親への感謝を伝えている。
21年にはBbC(英国放送協会)の「ワールド・スポーツスター・オブザイヤー」に選出された。BBCの電子版は「同世代屈指の騎手であり、ゲームチェンジャーだった」「男女の騎手が対等な条件で競い合うこのスポーツにおいて、観客も彼女が男か女かにこだわらなかった。彼女はただ、一流の騎手だったのだ」、レーシングポストは「彼女のキャリアは不可能な夢など存在しないことを証明した」「グランドナショナルで英雄的な勝利をおさめ、その感動は世界中に響き渡った」「長年、男性優位の偏見と戦ってきた過酷な障害競走というスポーツにおける彼女の活躍は、女性騎手が何を達成できるのかという先入観を覆した」「競馬を新たな次元へ押し上げた」と紹介。競馬の歴史を変えた名手の引退を英国、アイルランドのメディアがいずれも大きく報じている。