昨年2着のドックランズがコース巧者ぶり発揮、英G1クイーンアンSで重賞初制覇

2025年06月18日 16:01

 現地17日に英アスコット競馬場で開幕したロイヤルアスコット開催のG1クイーンアンステークス(4歳以上、芝8ハロン)は、ドックランズ(6番人気タイ)が中団追走から終盤に抜け出し、馬群の反対側から迫る1番人気ロザリオンをハナ差抑えて昨年2着の雪辱を果たした。

 この日も課題のゲートが遅かったドックランズだが、すぐに位置を挽回して10頭一団で進む馬群の中ほどを追走。終盤にかけて内ラチ側から抜け出すと、道中で同じような位置から馬群の反対側を伸びてきたロザリオンの猛追を首の上げ下げの末にしのぎ切った。

 さらに1馬身3/4差の3着に最後方から単勝101倍の最低人気カイロが突っ込み、2番人気のノータブルスピーチは馬群の真ん中に位置するも、終盤に追い出しを待たされる場面もあり4着に終わった。

 ドックランズはH.ユースタス調教師が管理するマサート(父テオフィロ)産駒の5歳牡馬で、これが重賞初制覇。昨年のクイーンアンSではチャリンに2馬身1/4差の2着に善戦し、その後に豪州から香港へと遠征して日本調教馬との対戦経験もある。これまで重賞での入着歴は昨年のクイーンアンSと前走G3ダイオメドステークス(3着)の2回しかなかったが、アスコットの8ハロンでは今回も含め7戦3勝、2着3回、3着1回と全て入着しており、無類の相性を発揮する格好となった。

 ドックランズが豪州のオーナーグループの所有という縁もあり、香港マイル以来の騎乗で勝利に導いたM.ザーラ騎手は「彼には香港で乗ったけど、馬場で見ただけで今日の彼は完全に別の馬になっていた」「ハリー(ユースタス調教師)はずっと励まし続けてくれていた。(豪州から)イビサ島へ旅行に行くついでにこの開催で乗ることになったから、これほどの勝利につながるなんて本当に特別なことさ」と英競馬メディア『attheraces.com』などにコメントしている。