トローラーマンが新長距離王に、英ゴールドCをレコードで逃げ切り圧勝

2025年06月20日 11:27

 現地19日、英ロイヤルアスコット開催でG1英ゴールドカップ(芝20ハロン)が行われ、W.ビュイック騎乗の7歳馬トローラーマンがレコードタイムで逃げ切る圧勝を見せた。

 キプリオスの電撃引退で王者不在となった長距離路線の新たな王を決める一戦となったレースはトローラーマンがハナを切り、世代交代を狙う4歳馬イリノイが差のない3番手で追走する。

 隊列に大きな変化なく終盤を迎えるとトローラーマンがペースを上げていき、呼応したイリノイがスウィートウィリアムをかわして2番手に浮上。しかし直線ではトローラーマンがイリノイを寄せつけずにリードを広げ、7馬身差の圧勝を収めた。3着にはさらに7馬身差で9歳馬ドバイフューチャーが入った。

 J&T.ゴスデン厩舎のトローラーマンはゴールデンホーン産駒の7歳セン馬でゴドルフィンの所有。2023年10月のG2英チャンピオンズロングディスタンスカップで強豪トゥルーシャンの4連覇を阻んで重賞初勝利を挙げ、昨年の英ゴールドカップではキプリオスの2着と善戦。今回の勝ちタイムの4分15秒02は、2010年にライトオブパッセージが残したレコードタイムを2秒近く更新するものだった。

 新長距離王の座に就いたトローラーマンだが、J.ゴスデン調教師は英競馬メディア『racingpost.com』に対して「来年にここへ戻ってくることを目標にすべきだと思う。その間は無理な出走は避けるべきだ。来年(5月)のヘンリー2世ステークスまで出なかったとしても驚かないでほしい」とコメント。G1に昇格した秋の英チャンピオンズロングディスタンスカップに出る可能性は残したものの、長期休養に入ることを示唆している。