【ジャックルマロワ賞・展開予想】 ドーヴィル直線マイルで主導権争いは流動的——カギは「淡々~ややスロー」からの瞬発力勝負

2025年08月14日 14:24

8月17日(日)に行われる仏G1ジャックルマロワ賞(ドーヴィル・芝1600m直線)。前売り市場ではロザリオンが一本被りの人気で(英Paddy Power想定6/4=約2.50倍)、クイーンアンSで写真判定の2着から巻き返しを狙う構図だ。対するドックランズはそのクイーンアンでロザリオンを鼻差抑えて先着。両馬の再戦は今回の最大の見どころだ。

■予想される流れ

直線マイルの同舞台は折り合いと瞬発力が問われる設定(コースは芝1600mのワンターン直線)。今年の登録・有力馬の脚質傾向から「はっきりした逃げ馬不在」。序盤は各陣営が牽制し合う可能性が高く、淡々~ややスローで入り、残り400mからのトップスピード勝負になりやすい。

想定隊列(スタート~中盤)

先行~好位:ダンシングジェミニ(今季ドンカスターM→bet365Mile連勝時は先行して押し切り)/ザ・ライオン・イン・ウィンター(7月の仏ジャンプラ賞は前々で粘って3着)

中団:ロザリオン(クイーンアンは好位~中団から鋭く伸びる)、ドックランズ(同レースは後方から進出も、本来は中団で運べるタイプ)、ディエゴヴェラスケス

後方~溜め:アスコリピチェーノ(ヴィクトリアマイルは後方待機から直線一気)、ノータブルスピーチ(折り合って末脚温存の差し) ※前売りに名を連ねる ダンシングジェミニ/ノータブルスピーチ/ザビアリ/リダリらの出否で先行勢の厚みが変化。

展開のポイント

ペースメーカー不在の可能性
クイーンアンSではスロー寄りでL2F勝負になり、瞬発力型が台頭。今回も同型が多く、序盤から逃げ切りを狙う明確な馬が見当たらない。好位勢のポジション取りが勝敗を分ける。

直線の「ヨーイドン」ならロザリオン有利
1200m以降の加速に優れ、スムーズに外へ持ち出せればゴール前で再先着のシナリオ。人気一本化はその裏づけだ。

ドックランズは「直線マイル巧者」
クイーンアンで見せた持続的な脚&勝負根性は舞台適性の高さを示す。早めに抜け出す形で“差し切らせない”運びに回れば、再現は十分。

ザ・ライオン・イン・ウィンターは先行押し切りの穴
7月の仏ジャンプラ賞3着で復調をアピール。距離短縮のマイルで好位から早めスパートに活路。

日本馬アスコリピチェーノの差し切り一発
直線勝負の瞬発力は一級品。ペースが落ち着きすぎると届かない懸念はあるが、終い勝負が濃くなれば突き抜けまで。

ディエゴヴェラスケスは新馬主カラーで参戦
位置は中団。脚の使いどころ一つで上位食い込み。

シナリオ別結論

スロー→瞬発力戦(想定確率 高):  ◎ロザリオン ○ドックランズ ▲アスコリピチェーノ △ザ・ライオン・イン・ウィンター/ノータブルスピーチ

平均~締まった流れ(先行勢が主導権を主張):  ◎ザ・ライオン・イン・ウィンター ○ダンシングジェミニ ▲ロザリオン △ドックランズ

メモ(マーケット動向)

前売りはロザリオンが最有力、続いてザ・ライオン・イン・ウィンター/アスコリピチェーノ/ノータブルスピーチの序列。オッズの微妙な動きは最終確定メンバーと馬場次第。