発馬で躓いたワイズアプローチ、英G1ミドルパークSで着差以上の完勝劇

2025年09月28日 09:06

 英2歳G1ミドルパークステークス(牡馬、芝6ハロン)が現地27日にニューマーケット競馬場で行われ、1番人気のワイズアプローチがスタート直後に躓いて最後方からの追走となるも、馬場の中央へ進路を取った終盤に末脚鋭く突き抜けた。

 外ラチ側から2頭目のワイズアプローチは二完歩で前のめりに態勢を崩して2馬身から3馬身の後れを取るも、すぐに集団に追いついてそのまま最後方の9番手を追走。中間点を過ぎて徐々に馬場の中央へと回り込むと、中団から残り1ハロンで抜け出した6番人気ブリュッセルを離れた位置でかわし、巻き返しにくる相手を3/4馬身差に抑え込んだ。

 ブリュッセルから短アタマの3着に後方2番手追走のコップル(3番人気タイ)が追い込み、前走のデビュー戦(G3ラウンドタワーステークス)で2着の2番人気ザパブリカンズサンはブリュッセルの直後を追走も伸びず8着に沈んだ。

 ワイズアプローチはC.アップルビー調教師が管理するメーマス産駒でゴドルフィンの所有。4月30日にアスコットの5ハロンでデビュー勝ちし、3戦目のG2ノーフォークステークス(2着)、前走のG1モルニー賞(3着)と重賞では一歩及ばずにきたものの、今回は人気に応えて重賞初制覇とした。

 英競馬メディア『attheraces.com』などによると、アップルビー師は危機一髪の状況を克服したワイズアプローチの勝利に「ちょっとしたパフォーマンスだったね。冗談はさておき、もちろん、ゲートを出て躓くとは予想していなかったけど、下げるプランではあったんだ」「モルニー賞でウィリアム(ビュイック騎手)は素晴らしい騎乗をしてくれたけど、あの日は仕掛けてから電撃的に反応したものの、先頭に立って馬がレースを止めてしまった感じだから、ウィリアムに“今日はゴールで先頭に(立つように)してくれ”と言ったんだ。彼はやってくれたよ。でも気が休まらなかったね!」とレースを振り返った。

 なお、アップルビー師はこれでワイズアプローチは今季終了とし、来年はコモンウェルスカップを目標にするとコメントしている。

 また、コップルのC.コックス調教師も同様に休養からコモンウェルスCを目標とし、ブリュッセルのA.オブライエン調教師は来年にクラシックを見据えて7ハロンを試すと明かした。