英マイルG1でまた大波乱、単勝万馬券のキケロズギフトがクイーンエリザベス2世Sを制す
2025年10月19日 10:34
現地18日、英アスコット競馬場で行われたG1クイーンエリザベス2世ステークス(3歳以上、芝8ハロン)は、馬群の後方につけた単勝101倍のキケロズギフトが内ラチ側のスペースから伸び、先行集団の一角から粘り込むザライオンインウィンター(5番人気タイ)を振り切る波乱の決着となった。
15番人気タイで最低人気のキケロズギフトは1番枠から中団の後ろで脚を溜めると、周回コースとの合流地点で内ラチ沿いを進出し、残り2ハロンで先頭をうかがう。これを見て2番枠から好位の1列後ろにつけたザライオンインウィンターが併せにいくも、キケロズギフトが最後の1ハロンから前に出てそのまま押し切った。
さらにクビ差の3着に馬群の真ん中にいた8番人気のアラカジ、アタマ差の4着には中間点まで勝ち馬と並走していた7番人気のドックランズが入線。脚部不安から復帰して1番人気のフィールドオブゴールドは5着、2番人気のロザリオンは6着と、上位2頭と反対側の枠順だった人気2頭は伸び切れなかった。フィールドオブゴールドは前走のサセックスステークスも1番人気で4着に敗れ、自身のペースメーカーを務めたキラートに単勝151倍の金星を配給している。
キケロズギフトはC.ヒルズ調教師が管理するムハーラー(父オアシスドリーム)産駒の5歳セン馬で今回が重賞初制覇。2歳10月から3歳5月までデビュー3連勝するも、1年余りの休養を挟むなど4歳時は伸び悩んだ。しかし、今年は初戦のG2サンダウンマイルで3着に善戦すると夏場からリステッドとG3で2着を続け、前走はリステッドで1年2カ月ぶりの白星を手にするなど調子を上げていた。
英競馬メディア『attheraces.com』などが報じたコメントで、ヒルズ師は「ここを最終目標にしていたが、こんなに乾いた馬場になるとは思いもよらなかった。いつもはとても柔らかいからね」「この馬のことはずっと信じていたけど、もう少し馬場に水分が欲しいタイプだと思っていたんだ」「2勝目を挙げた際はドックランズに9ポンドあげて勝ったし、前走で勝ったサンダウンのレースは、ここで好走する馬を何頭も出してきた」とキケロズギフトの素質を評価し続けてきたと明かし、今後は休養を与える方針としている。