【世界の騎手紹介 Vol.20】クリスチャン・デムーロ
2019年01月23日 13:00
イタリアで5度チャンピオンジョッキーに輝き、現在は日本で活躍するミルコ・デムーロ騎手の弟。自身も2度イタリアでチャンピオンに輝いた名手だ。
クリスチャン・デムーロ騎手はイタリア出身で、1992年7月8日生まれ。兄ミルコだけでなく、父も姉も元騎手(姉は調教師免許を持つ)という競馬一家に育ち、12歳から乗馬を始めた。
デビューは16歳だった2009年5月6日。その翌日には初勝利を挙げた。この年は45勝。翌2年目は大きく飛躍し、153勝でイタリアのリーディング2位にランクイン。これでトップ騎手としての地位を早くも確立すると、2011年は222勝、2012年はイタリア記録となる264勝を挙げて2年続けてイタリアのチャンピオンジョッキーの座に君臨した。
2011年に初めてNARで騎乗したのを皮切りに来日を重ね、2012年1月にはドナウブルーでG3京都牝馬Sを制して重賞初制覇。さらに翌2013年にはアユサンでG1桜花賞に勝って嬉しいG1初制覇を果たした。このレースでは兄ミルコが2着に入っており、JRAのG1では史上初となる兄弟騎手によるワンツーフィニッシュを決めた。日本では他に2017年にタイムフライヤーでG1ホープフルS、2018年にダノンファンタジーでG1阪神ジュベナイルフィリーズを制しており、計G1・3勝を挙げている。
現在は、イタリアの競馬が破綻に近い状況になったこともあって、フランスが拠点。2016年にはラクレソニエールでG1仏1000ギニーとG1仏オークスの仏牝馬2冠、2017年にはブラムトでG1仏2000ギニーとG1仏ダービーの仏2冠を達成、さらに2018年のG1仏2000ギニーをオルメド、2019年のG1仏ダービーをソットサス、2021年にはG1仏1000ギニーをクールサンバで優勝と仏クラシックは7勝。2020年にはソットサスとのコンビでG1凱旋門賞を制した。また2021年5月には社台ファームの吉田照哉代表が所有し、フランスで開業する小林智調教師が管理するトウキョウゴールドでG2イタリアダービーに優勝した。
近年のG1勝ち
2021年
仏1000ギニー(フランス):クールサンバ
2020年
凱旋門賞(フランス):ソットサス
サンタラリ賞(フランス):タウキール
ガネー賞(フランス):ソットサス
2019年
仏ダービー(フランス):ソットサス
2018年
阪神ジュベナイルフィリーズ(日本):ダノンファンタジー
仏2000ギニー(フランス):オルメド
2017年
ホープフルS(日本):タイムフライヤー
仏ダービー(フランス):ブラムト
仏2000ギニー(フランス):ブラムト
2016年
伊ジョッキークラブ大賞(イタリア):ベンチュラストーム
パリ大賞(フランス):モントルメル
仏オークス(フランス):ラクレソニエール
仏1000ギニー(フランス):ラクレソニエール
文:秋山 響(TPC)